サベージ モデル1907 / Savage Model 1907 【自動拳銃】 † M1907は、アメリカのサベージ社が20世紀初頭に製造していた自動拳銃である。設計は銃器デザイナーのエルバート・サールによるもの。完成した日付「Nov. 21, 1905」が銃身上部に打刻されているので、誤って“M1905”と呼ばれることもある(製造が始まったのは1907年から)。 銃身が回転することで薬室の開放・閉鎖を行うが、ショートリコイルのように銃身は後退せずディレードブローバックで作動する。撃発はストライカー方式で、ハンマーに見える部分はストライカーと連動したコッキングレバーである。フレーム左側後部にはマニュアルセイフティを備える。マガジンリリースレバーはグリップ底部にあるが、一般的なタイプとは違い、グリップ前方で弾倉を掴むタイプになっている。組み立てにはネジを一切使っていないので、分解作業が簡単に行えるという利点がある(ただし、M1917のみグリップパネル固定にネジを使用)。グリップパネルは初期は金属製だったが、後に樹脂製のものに変更されている。また、M1915のみグリップセイフティとスライドストップ機能(フレーム右側先端にリリースボタン)が追加されている。 アメリカ軍の制式拳銃トライアルの際には、.45ACP弾が使用できるようにサイズアップした試作モデルが開発された。この試作モデルは最終候補の2つに残ったが、採用を勝ち取ったのはコルト社のM1911であった。トライアルに負けた181挺の試作モデルはサベージ社に戻り、その後民間用として販売されている。 M1907は、小型サイズでありながらダブルカラムマガジンに10発の弾薬を収められることから、「Ten shots quick!」を売り文句としていた。西部開拓時代のガンマンであるバッファロー・ビル(本名:ウィリアム・フレデリック・コディー)やバット・マスターソン(本名:ウィリアム・バークレイ・マスターソン)、ピンカートン探偵社などを広告塔に起用することで、大々的な宣伝を行っていた。また、当時のアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトにも本銃が寄贈されている。
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