モデル | 銃身長 | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
CZ22 | 3.4in | 155mm | 634g | .380 ACP | 8+1 | チェコスロバキア |
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CZ24 | 3.56in | 160mm | 680g | |||
CZ27 | 3.9in | 155mm | 670g | .32 ACP | 8/9+1 |
CZ22(Vz.22)は、旧チェコスロバキアの国営銃器工場が戦間期の1921〜1924年に製造していた、シングルアクション式の自動拳銃である。改良モデルのCZ24とCZ27を含め、同国軍が制式採用していたことで知られる。
ドイツのマウザー社で働いていたオーストリア人銃器デザイナーのジョセフ・ニクルが、同社のM1914 ポケットピストルを改良した試作モデルをベースとしている。
シンプルブローバック/ストライカー方式/オープントップスライドだったM1914とは異なり、CZ22ではショートリコイル/ロータリーバレル閉鎖方式/フルカバースライド/頂部を除くほぼ全体がスライドに隠れたハンマー方式、に変更されている。トリガー左側後部にマニュアルセイフティ(その下には解除用ボタン)があり、これはベースとなったM1914と構造は変わらない。スライドストップ機能はあるが、手動のリリースレバーは無い。弾倉を引き抜くとスライドストップが解除される構造になっているので、再装填の際にはスライドを毎回引く必要がある。グリップ底部にはマガジンリリースレバーとランヤードリングを備える。グリップパネルは背面を覆う一体型で、木製とプラスチック製の2種類。フレーム左側にはスライドを固定するロックピンがあり、分解時にはこのピンを引き抜く。
ニクルが設計した試作モデルは、マウザー社では民間用としては製造されなかったが、そのパテントはヨーロッパ各国やアメリカへ売りに出されている。チェコスロバキアはそのパテントを購入した国のひとつで、ブルーノ造兵廠による手直しを経て、1920年に初の国産自動拳銃を開発する。しかし、運用テストにおいて不具合が判明し、製造コストも高かったため、その後も改良作業が続けられた。1922年、多くの改良(強化バレル、強化スライド、外装式エキストラクター、アイアンサイト/ハンマー/ファイアリングピンの変更)が施された本銃は"Vz.22"の名称が与えられ、同国軍に制式採用されている。
1924年には、CZの銃器デザイナーであるフランチシェク・ミスカが、改良モデルの「CZ24」を開発する。外観上の違いとしては、スライド先端から少し飛び出た銃身、ストレートタイプだったグリップ背面を握りやすいラウンドタイプに変更、などが挙げられる。また、マガジンセイフティ機能が追加された。
このモデルは"Vz.24"の名称が与えられ、同国軍に制式採用されている。1925〜1938年の間に189,000挺が製造された。ヨーロッパ各国やアメリカへ輸出された他、第二次世界大戦直前に起きたナチス・ドイツによるチェコスロバキア解体の際には、ドイツ軍も少数ながら使用している。
1926年には、同じくミスカの設計により、作動方式をシンプルブローバックに変更し、使用弾薬を.32ACP弾に改めた「CZ27」が開発された。これは、ニクルのオリジナルモデルでは9mmパラベラム弾を標準の使用弾薬としていたところを、CZ22とCZ24では同弾薬のショート版である.380ACP弾に変更したため、ロータリーバレルでの作動に不調が多かったことに起因する。細かな変更点としては、スライドセレーションの角度が斜めから垂直になっている。装弾数を1発分増やしたロンググリップフレーム、サプレッサー装着用のロングバレル、ホルスター兼用ショルダーストック?なども用意されている。
このモデルは"Vz.27"の名称が与えられ同国の軍・警察に制式採用された他、海外への輸出も盛んに行われた。前述のナチス・ドイツによる占領の際には、ドイツ軍も"P27(t)"*1の名称で本銃を使用している。1927〜1955年の間に650,000挺が製造され、CZ75が登場するまではチェコスロバキア製で最も成功したピストルと評されていた。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
ダーティ・ヒーロー/地獄の勇者たち | 映画 | ゲシュタポ | CZ27 |
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