モデル | 全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 装弾数 | 連射速度 | 発射形式 | 製造国 |
FMG | 270(490)mm | 209g | 9mm×19 | 20/32 | 500〜600発/分 | S/3/F | アメリカ |
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M21 | 不明 | 不明 | 9mm×19 | 32 | 895発/分 | F | |
PP90 | 270(485)mm | 1830g | 9mm×18 | 30 | 600〜800発/分 | F | ロシア |
アレス社(ARES Incorporated)のフランシス・ワリン(Francis J. Warin)が1970年代に設計した携帯型短機関銃。FMGとは『Folding (sub)Machine Gun』を略したもので、つまり『折りたたみ式SMG』である。アレス社が著名な銃器デザイナーであるユージン・ストーナーが興した会社であったことから、ストーナー自身によるデザインと広く誤解されているが、実際には1986年にフランシス・ワリンによってパテントが取得されている。
当時、世界各国でテログループなどによる誘拐事件が多発。政府関係者のみならずビジネスマンまでもが標的となりつつあった*1。そこで携帯に便利で、なおかつ大きな火力を持つ自衛用火器として設計された。
従来からMP5Kなどの小型SMGをアタッシュケースなどに仕込んだ例はあったが、FMGはさらに一歩進んで、銃そのものが変形・擬態する。折りたたんだ状態では金属の箱形で、工具箱か何かのようにしか見えない。使用するときには、ちょうどホッチキスの針を替える時のように箱を開くと、中からグリップとマガジン、トリガーが現れて発射可能となる。慣れれば銃の展開・発射には数秒とかからない。なお、緊急時の接近戦での使用を念頭に置いているため、アイアンサイトなどは装備していない。
メカニズム自体はオーソドックスなシンプルブローバックとオープンボルト発火を採用し、銃身にリコイルスプリングを通してボルト動作のガイドとして機能させる設計だった。後述する20発と32発のマガジンを使用するが、32連マガジンを装填した場合、折り畳むことが出来なかったらしい。
ドイツのMP40短機関銃のマガジンを使用する*2最初のモデルと、イスラエルのウージー短機関銃のマガジンを使用するモデルの二挺のプロトタイプが製作された。
奇しくもアレス FMGとほぼ同時期に開発されていた折り畳み式短機関銃が、M21である。アメリカのガンスミス、ユタ・コナーによってUC-9(Undercover 9)の名称で開発されたもので、コナーが銃器ディーラーであったデイブ・ボートマン(Dave Boatman)と組み、彼のショップから発売するに当たって改めて「M21」と名付けられた。この経緯から、「ボートマン M21」或いは「UC M21]といった名称でも紹介される。
M21はサイト兼用のキャリングハンドルと擬装用のアンテナを備え、携帯型ラジオに見せかけている。このため『ラジオ サブマシンガン(radio submchine gun)』の異名も持つ*3。折り畳み機構はアレス FMGと全く同様のもので、ウージーのマガジンを使用する点も共通している。
しかし、当時発効したフルオート銃の規制法『FOPA86』のため、アレス FMGはプロトタイプにとどまり、M21もごくごく少数が生産されたのみとなっている。この2つの非常に似通った折り畳み式短機関銃が、ほぼ同時期に誕生した経緯と関係性は明らかにされていない。
似たコンセプトの銃として、1990年代にロシア・KBP設計局が開発した「PP-90」が存在する。こちらはFMGにより近いスタイルをしているが、使用弾薬を9mm×18マカロフ弾に改めている*4ほか、折りたたみ式のサイトの追加やコッキングハンドルの改良が行われている。ロシア内務省の特殊部隊向けに開発され、海外への輸出も行われており、このタイプのSMGでは最も成功したモデルである。
2008年には、アメリカのマグプル社が、「FMG-9」という同様のコンセプトの折り畳み式短機関銃を開発している。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
ドールズフロントライン | − | − | 項目参照 |
ロボコップ2 | − | − | 項目参照 |
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