肩に当てることで射撃の体勢(照準のぶれ)を安定させ、発砲時の反動や跳ね上がりを抑える部品。日本語では銃床(じゅうしょう)と表記する。
古くは木製で、添え手で握るフォアエンド部分から、グリップ後方の肩に当てるバットストック(Buttstock)部までが一体となっていたが、現代軍用ライフルは狙撃銃を除いて、ほぼこのバットストック部が独立している。普通、このストックを備えるものをライフル(もしくはカービン)と呼ぶが、拳銃に装着するカービンストックと呼ばれるものも存在する。精密射撃が求められる狙撃銃では調節可能なチークピースを備えている物も多い。素材はクルミなどの木材の他、スチールやアルミ合金などの金属素材、またはプラスチックなどのシンセティック素材が用いられる。
・ストレートストック
M16などに見られるような、銃身と肩当までが一直線となっているデザインのストックのこと。発砲時の跳ね上がりの抑制に優れるため、突撃銃などの現代フルオートマチックライフルのほとんどがこのデザインのストックを備える。
・フォールディングストック(折り畳み式ストック)
運搬のさいに取り回しが良いよう、折り畳むことが可能となっているストック。横に折り畳めるタイプや前方に倒すタイプが多いが、ウージー?のように機関部の下に折り畳むタイプもある。横に折り畳むタイプの場合は、排莢口を塞がないよう、左サイドに折り畳むか、畳む角度を若干下げるような工夫が施されている。
またM93Rやグロック 18などのマシンピストル用フォールディングストックもある。
・テレスコピックストック(伸縮式ストック)
使用者の体格や装備状況(ボディアーマーなど厚みのある服装を着用している場合)に合わせて、ストックの長さが調節可能となっている。スライドストック(引き出し式ストック)ともいう。上記のフォールディングストックともども、リトラクタブルストック(収納式ストック)とも呼ばれる。
・スケルトンストック
肉抜き加工が施されていたり、金属のワイヤーやパイプを組み合わせて作られていたりと、最低限の骨組みのみで構成されたストック。このタイプが採用されるのは、軽量化が主な理由だが、折り畳んだ状態で排莢口を塞いでしまわないため、スケルトンストックを採用している銃もある。
普通はライフル系の銃に備わっているが、リボルバー(SAAなど)に装着するストックも存在する。これはリボルバーカービンのような固定式ではなく、簡単に取り外すことが可能となっている。
・サムホールストック
ストレートストックとピストルグリップを組み合わせたような形状をしている。ピストルグリップ風に握るため、親指を通すための穴が開いている。狙撃銃や競技用銃でみられるが、ピストルグリップを有する民間転用アサルトライフルが規制されている地域で、法的に合致するようこのタイプに改修したものも少なくない。
・ホルスターストック
自動拳銃のホルスターとしても使用が可能なストック。フルオート機構を備えたスチェッキンやM712の他、ストックを装着することでバースト射撃が可能となるVP70が有名。
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