1970年代、旧ソ連の諜報組織である国家保安委員会(KGB)内にて極秘裏に発足した特殊部隊。隊員は、フルフェイスのチタン製ヘルメットを装着していることから、Heavy Faceのあだ名で呼ばれることもある。
1979年のアフガニスタン侵攻時に於けるハフィズラ・アミン議長の暗殺や91年の「血の日曜日事件」などに関わり、暴力的な作戦でKGBの尖兵として悪名を轟かせる事となる。
しかし、91年に起きた「八月クーデター事件」において、民主化をすすめるエリツィン大統領に対しKGBが出した逮捕命令を無視。そのことでアルファ部隊は民主化勢力となり、ソ連崩壊後はKGBに代わる連邦保安庁(FSB)の指揮下に入り、ロシアの治安維持を目的とした対テロ部隊となった。
隊員は基本的にFSBの青年幹部クラス、それもIQ(知能指数)の高い者から選抜されているが、以前は思想的なイデオロギーまで隊員選抜の基準とされていた時期があったようだ。
この部隊が行う作戦は非常に多岐に及んでおり、現在でこそ精鋭のカウンターテロ部隊としての色合いが濃いが、旧ソ連時代には爆破や要人の暗殺・拉致、情報操作、後方撹乱、政治的プロパガンタまで行っていたようだ。
最近になって関与が明らかとなっている作戦としては、北オセチア共和国で起きたチェチェンゲリラによる学校占拠事件での強行突入や、モスクワのオペラハウス篭城事件での容疑者制圧などがあり、迅速激烈を旨とする部隊の戦闘能力の高さが如実に現れている。一方で人質の犠牲がかなり多いのも事実でありオセチアの学校占拠事件では300名以上の死者、600名以上の負傷者を出した。
なお、よくメディアで「スペツナズ」といった語が使われるが、スペツナズはロシア語で特殊部隊という意味であり、このアルファ部隊のことを指すとは限らない。
ロシア国内(CIS諸国も含めて)での作戦行動が多いが、元々はロシア国外における作戦行動を主眼に置いている部隊であり、限定的運用というわけではないらしい。
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