ステアー M1911 / ステアー M1911 【自動拳銃】

M1912の無可動実銃
モデル銃身長全長重量口径装弾数製造国
M1911
M1912
5in216mm1,200g9mm×238+1オーストリア=ハンガリー帝国
9mm P12(Ö)9mm×19

 M1911は、オーストリアのŒWG(Österreichische Waffenfabriksgesellschaft:オーストリア兵器工場共同体、の意。後のステアー・マンリッヒャー社)が1911年に開発した、シングルアクション式の自動拳銃である。ロス・ステアー M1907の設計者であるカレル・クルンカが、同銃をベースに設計を行った。
 ストライカー方式のM1907とは異なり、露出式のハンマーで撃発するので、別名「ステアー・ハン」とも呼ばれる。ハン(Hahn)とは、ドイツ語でハンマーを意味する。

 作動方式はショートリコイル、閉鎖方式はロータリーバレル。M1907とは異なり、可動式のスライドを有している。クリップ式の給弾機構は変わらないが、フレーム左側後部にマニュアルセイフティが追加されている。
 バリエーションとして、フレーム左側後部にセミ/フル切り替えセレクターを追加した機関拳銃モデルの「M12」が存在する。これには、ホルスター兼用ショルダーストック?が装着可能である。また、固定式弾倉を兼ねるグリップを延長することで装弾数を16発に増やした「M16」も開発されている。

 オーストリア=ハンガリー帝国軍のために開発されたM1911だが、既にM1907とラスト・ガッサー M1898リボルバーが現役で使われていたので、一部の部隊に配備されるに留まった。チリとルーマニアへは輸出されたが、その後M1911は民間向けとして製造・販売されている。第一次世界大戦が始まると、旧式化した軍用拳銃の更新に伴い、軍用モデル「M1912」としてようやく大量配備が始まった。第二次世界大戦中には、協力関係にあったドイツ軍向けに、使用弾薬を9mmステアー弾から9mmパラベラム弾に改めた「9mm P12(Ö)」*1が開発されている。

登場作品ジャンル使用者備考
間諜X27映画X27

このページの画像はArundel Militaria*2から転載しています。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 編集お疲れさまです。同じ年に開発されただけなんでしょうが、紛らわしいですね…(笑) -- 2016-08-26 (金) 10:12:26
  • 編集者ではありませんが、陸軍に採用された年からのM1912のほうが名前の通りはいいと思います。 -- 2016-08-26 (金) 12:40:21
  • そうなると、今度は散弾銃のM1912(ウィンチェスター)と被ってしまいます。
    モデルナンバーが被る事例は他にもありますし(回転式拳銃と軽機関銃それぞれに「M60」がある)、
    幸いここのサイトでは「コルト ガバメント」表記で全く同じページ名という訳でもないので、現状のままで問題ないかと思います。 -- 2016-08-26 (金) 15:42:29
  • 質問なんですがセミ/フル切り替えモデルのM12やM16は開発年が1912年と1916年という事なのでしょうか?
    それとも単にM16は16発だからですかね?
    そうでしたら第一次でドイツ帝国が塹壕突破用の兵器を研究するより前なので世界初のマシンピストルになりますよね?多分……
    違いましたら開発年を教えて頂ければ幸いです -- 土竜噴進砲? 2018-05-25 (金) 23:25:22
お名前:

*1 (Ö)は、ドイツ語でオーストリアを意味する"Österreichische"の頭文字。
*2 無可動実銃を販売しているイギリスの会社。

トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS