全長 | 銃身長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
285mm | 50mm (2in) | 862g | 9mm×19 | 5+1 | スイス |
2014年からスイスのB&T(ブルッガー&トーメ)社が製造している消音拳銃。
同年に登場したH&K社のVP9と名称が丸被りしてしまっているが、こちらのVPとは「Veterinary Pistol=“獣医用拳銃”」の意味である。
獣医師が救命の絶望的な患畜を、あるいはハンターや警官が手負いとなった危険な野生動物を、静かにかつ速やかに安楽死させねばならない状況に対応するため、そうした需要にこたえる形で開発された。
(なお、H&K社のVP9はヨーロッパ市場での販売時に「SFP9」と改称されている)
作動方式・弾薬・バッフル式サプレッサーなども含めた基本的な構造は、第2次世界大戦中にイギリスが開発した消音拳銃「ウェルロッド」に酷似している。
作動方式はボルトアクション。使用弾薬は9mmパラベラム弾で、本体後部のボルト操作用ノブを引いて一発ずつ装填・排莢を行う。
バッフル式サプレッサーを被せたわずか5cm長の内蔵銃身に複数の穴を設け、燃焼ガスを逃がすことで腔圧を下げ、弾体を亜音速で発射し、衝撃波を抑制する。
弾倉はシグザウエル P225のシングルカラムマガジンを使用。これにはグリップを兼ねるポリマー製のシュラウドがはめ込まれており、銃本体からマガジンと共に抜くことでさらに小型化できるという、これもまたウェルロッドに近い設計になっている。弾倉を外した状態でも(中指でトリガーを引く形になるが)発砲は可能。
レシーバー前後にアイアンサイトを備えている他、専用のマウントベースをサプレッサーにはめ込めば、タクティカルライトやレーザーサイトも装着可能になる。
後期モデルでは、初期モデルには無かったトリガーガードとグリップセイフティ機能が追加されている。
サプレッサーは、アルミ製バッフルを組み込んだ練習用と、シリコン製バッフルを組み込んだ実務用の2種類。
減音効果は、練習用は140db程だが、実務用はシリコン樹脂で銃身内を密閉しているため129dbまで下がる。ただし発砲の度に弾丸がシリコン樹脂を貫くので、発射数が10発を超えると減音効果が低下し、20発程でバッフルの寿命に達するとされている。このため、バッフルの交換は器具なしで簡単に行えるよう配慮されている。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
KILLJOYS/銀河の賞金ハンター | TVドラマ | フランシー・リー | 初期モデル シーズン1・第6話 |
ダッチ | サプレッサー下部にバレルウェイト風のパーツを装着 シーズン1・第7話 |
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