東京砲兵工廠 二十二年式村田連発銃 【小銃】 †

　1889年(明治22年)、日本陸軍に制式採用されたボルトアクション式小銃。国産初の連発式歩兵銃である。
　単発だった十三年式村田銃や改良型の十八年式村田銃に比べて、村田連発銃はチューブラーマガジンに8発もの弾薬を装填する事が出来た。また、弾薬は黒色火薬を用いた十三年式・十八年式の11mm弾薬よりも、小口径かつ高速な無煙火薬使用の8mm弾薬となっている。
　なお、カービンモデルとして全長959mm、装弾数5発の二十二年式騎兵銃も存在する。

　日清戦争や義和団事件等で使用された村田連発銃だったが、以下のように問題も多かった。

• ・弾薬を縦列させるチューブラーマガジンには尖頭弾は使えないため、フラットノーズ(先端が平たい)の弾丸が採用されたことから、500m先の標的(死馬)に全く当たらない程、命中精度が低下した。
  ・チューブラーマガジンへの装弾には、銃上部から一発ずつ込めなければならず、手間と時間がかかる。また散弾銃のチューブラーマガジンのように銃下部からの装弾は出来なかった。
  ・主な戦場だった中国の乾燥した気候では、機関部に入り込んだ砂塵によって故障を起こしやすく、連発する事が困難で、兵士達には「若干の予備弾を銃の中に収めることが出来る単発銃」と揶揄された。

　その後の日露戦争では後備歩兵による使用に留まり、主力装備は三十年式歩兵銃に置き換えられてしまった。