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スミス&ウェッソン "PC356" / S&W Model 3566 【自動拳銃】 †
1993年に発売された、S&W 59の流れを汲む競技用自動拳銃。S&W社のカスタム製造部門である“パフォーマンスセンター(Performance Center)”によって開発された。
実際の名称は「3566」といい、3-1/2インチバレルの「コンパクト」(装弾数12発)、4-1/4インチバレルの「タクティカル」、5インチバレルの「リミテッド」の3種が製造された。日本のトイガンメーカー・東京マルイが発売したエアソフトガン「PC356」は、このうちの「リミテッド」に当たるモデルである。
.356TSW(Team Smith & Wesson)は、S&Wお抱えのプラクティカルシューティング*1チームの意見を元に設計されたもので、.357マグナム並のエネルギーを持ちながら、小変更のみで装弾数をそのままに9mm×19のマガジンを流用できるという新弾薬だった。
二大プラクティカルシューティング競技であるIPSCとUSPSAでは、使用する弾薬のエネルギーを基準として、ヒット一発ごとのスコアが「マイナー」か「メジャー」のいずれかに判定される。メジャーの方がスコアが高い*2ため、当時のレギュレーションにおける最低口径の9mmかつ、メジャーに相当する高威力の.356TSWは、大容量と高スコアを両立するコンバットシューティング界の新しいブームとなり得る筈だった。
しかし、こうした銃メーカー側の動きを予め懸念していた運営側により、二大競技が相次いで「メジャー」の最低口径を.40口径(10mm)以上にレギュレーションを変更。.356TSWはたちまち本来のマーケティング対象を失い、その弾薬を用いる本銃も短い間にその製造を終了した。
同じく短い期間ではあるが、この競技用モデル3566の廉価版「スーパー9」も少数販売された。外観は通常のS&W59系のもので、その名の通り9mm×19、9mm×21、.356TSWの3種類の高威力9mm弾に対応したモデルであった。
日本ではエアソフトガンとして製品化されたために、メディアに登場することがあるが、実銃の世界では滅多にお目に掛かることの出来ないレアなピストルである。
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