DE M39卵型手榴弾 / Eihandgranate 39 †
全長 | 直径 | 重量 | 炸薬 | 炸薬重量 | 製造国 |
76mm | − | 230g | TNT | 50g | ドイツ |
当時ドイツ軍が使用していたM24を始めとする柄付手榴弾は、柄がついているおかげで遠くまで投擲できた他、弾頭部を交換することで様々な用途に使えるメリットがあったが、他国の手榴弾と比べて大きくかさばるのが難点だった。
そこで、軽量で小さく、数多く携行が可能な手榴弾として開発されたのが、Eihandgranate 39(卵型手榴弾39式)である。弾体はプレス製で、製造工程が単純なため大量に製造された*1が(M24のイメージが強烈過ぎて)その存在はあまり知られていない。なお、M39はM24の後継というわけではまったくなく、柄付手榴弾は終戦まで継続して使用されており、M43柄付手榴弾という後継モデルも開発されている。
発火方式は「BZE39」という摩擦式信管を採用している。BZE39は一種の時限式で、発火までの遅延時間が異なる4種の信管が用意された。種類は信管に塗布された塗料で見分けられ、赤(1秒)、青(4,5秒、通常型)、黄色(7,5秒)、灰色(10秒)となっていた。赤の信管はブービートラップ用に使われた。このBZE39信管は、M43柄付手榴弾にも採用されている。
信頼性は非常に高く、極寒の東部戦線でも問題なく作動したという。軽量かつ投擲距離は長いが、破片ではなく爆圧で殺傷する設計の「攻撃型」手榴弾であるため、有効範囲は10mと狭い。ちなみに前者の破片式は「防御型」に分類される。
余談だがカンプピストルの前身となった信号拳銃で使用された即興弾頭の卵型柄付手榴弾は、前線で前述のM24の柄にこの手榴弾を取り付けたものである。
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