グストロフ・ベルケ “パンツァービュクセ” / Gustloff-Werke "Panzerbüchse" 【対戦車小銃】 †
モデル | 外見 | 全長(伸長時) | 重量 | 口径 | 製造国 |
PzB38 |
| 1290(1615)mm | 16.2kg | 7.92mm×94 | ドイツ |
---|
PzB39 |
| 1085(1620)mm | 12.6kg |
---|
パンツァービュクセ*1は、第二次世界大戦でドイツ軍が使用した対戦車ライフルで、略称の「PzB」と呼ばれることもある。1930年代後半に、グストロフ・ベルケ(グストロフ製造)社で設計・製造された。
コンセプトは「一人で持ち運べる対戦車兵器」で、弾薬は、戦車の砲弾で実績のあるレクリング社の7.92mmAP弾頭を、専用設計の94mm薬莢に装填した。これにより100mの距離から30mmの装甲を貫くことができた。
38、39ともに、単発式で、排莢はリコイルオペレーションによる自動式だが、一発ごとに手ずから装填する必要があった。しかし閉鎖方式は両者で異なり、38では水平スライド式、39では垂直スライド式ブリーチブロック(尾栓)によって、薬室を閉鎖する仕組みだった。さらに39では、機関部の両側面に装着可能な、予備弾を入れておくカートリッジケースが用意された。
PzB38の初陣は1939年のポーランド侵攻の時だが、威力不足に加え、構造が複雑過ぎたため故障が頻発。150丁ほどで生産が打ち切られ、すぐに後継のPzB39と置き換えられた。
PzB39は、PzB38の欠点を改良し、メカニズムを簡素化、信頼性を上げた。火力はそれなりに上がり大幅に軽量化された物の、折りしも第二次世界大戦勃発まで秒読みという折、戦車側がPzBの進化以上に進化し、完成した頃にはチェコの38(t)、ポーランドのタンケッテ豆戦車の様な二線級の軽戦車にしか通用しない、時代遅れの代物となっていた。
擲弾筒を取り付けて成形炸薬弾を発射するように改造された物(通称GrB39)は、通常の小銃による同種兵器よりも威力のある擲弾を、より遠くに(約500m)飛ばすことができたため、PzBはもっぱら擲弾改造型が使用された。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。