ベルグマン ベアード / Bergmann Bayard 【自動拳銃】 †
ベルグマン・ベアードは、M1896の改良型として1901年に登場した「マーズピストル」を祖とする、軍用自動拳銃である。同年に登場したシンプレックス同様、着脱式弾倉を使用する。 宣伝の甲斐あって、マーズのバリエーションである「M1903」は、1905年にスペイン陸軍に採用される。その後、スペイン陸軍は3000挺の追加発注を出すが、ベルグマン自身の会社にはそれだけの生産能力は無かった。ドイツ国内での大量生産は難しいと考えたベルグマンは、ベルギーのAEP社(Anciens Establissments Pieper)に下請けに出すことに決める。AEP社では“Bayard(バヤール=魔法の馬)”をトレードマークとしていたことから、同社で生産されたモデルは、“Bergmann-Bayard(日本では「ベルグマン・ベアード」の表記が一般的)”と呼ばれた。グリップの形状は、本家ドイツ製がシャープであるのに対し、ベルギー製は膨らんでいる特徴がある。 同じ頃、AEP社で生産された「M1910」はデンマーク陸軍に採用された。しかし、1914年、第一次世界大戦が始まるとドイツによるベルギー占領(AEP社がある地区も含む)の影響で生産の中断を余儀なくされる。 ちなみに「Bayard M1908」という自動拳銃が、1908年にAEP社から販売されている。これはベルギー人のベルナルド・クラウスが設計した護身用拳銃で、名称は似ているがベルグマンピストルとの関連性は無い。
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