・ストーリー
サイゴンの安宿で、いつ来るか分からない任務に待ち焦がれるアメリカ陸軍大尉のウィラード(マーティン・シーン)。酒浸りの日々が続いたある日、彼の元にとびきりの任務がやってくる。
ニャ・チャンにある情報局に連行され与えられた任務とは、元グリーンベレーのカーツ大佐(マーロン・ブロンド)の暗殺。彼はカンボジア国境に独自の帝国をつくり、山岳民族を率いて悪行の限りを尽くしているという。そこで軍上層部はウィラードをカンボジアに潜入させ、カーツ大佐を始末させようというのだ。
PBR河川哨戒艇に乗り込んだウィラードと行動を共にするのは、一癖も二癖もある乗組員たち。任務の詳細を知らない乗組員たちは、陽気な雰囲気で川を上っていく。
しかし目的地に近づくにつれ、ウィラードは今回の暗殺任務に疑問を抱くようになる。資料によると、カーツ大佐は軍所属時代に独断でベトナム人のスパイを処刑し、殺人罪に問われているという。戦場における殺人罪と、命令で敵兵を殺すことの違いは何か。戦争という巨大な狂気が渦巻く中、ウィラードは任務を果たすべくジャングルの奥地へ歩を進めるのだった―――
・作品解説
原作は、ジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」。コッポラの本作は、翻案にあたる。カンヌ映画祭でのパルム・ドールをはじめ、多くの映画賞を獲得した評価の高い作品だが、PBR河川哨戒艇の活躍や公開後有名になったタイガーストライプ迷彩のBDU(ウィラード大尉が着用)など、細部のミリタリーガジェットについても見所が多い。
特に有名なのは、キルゴア中佐のヘリ部隊がチャーリーポイント(ベトコン支配区域)を攻撃するシーンであろう。M60C、M134、ロケットポッド等で武装、おまけに大型スピーカーを積んだヘリ部隊が、ワーグナーの『ワルキューレの騎行』を鳴らしつつベトコンの村を攻撃する。ロケの行われた現地のフィリピン軍の協力により撮影されたこのシーンは、実戦さながらの凄惨な迫力を生み出している*1。
2001年には、コッポラ監督自身が再編集し、約50分もの未公開シーンを追加した『地獄の黙示録・特別完全版(原題:Apocalypse Now Redux)』が公開された。
使用者 | 銃器名 | 備考 |
ベンジャミン・L・ウィラード大尉 | コルト M16A1 | − |
コルト M1911A1 | サンパンの臨検時に使用 サイゴン市内の宿屋でも登場 | |
コルト M79 | ジャングルからの襲撃時に一瞬所持 | |
ランス・B・ジョンソン | コルト M16A1 | − |
ブローニング M2HB | PBR河川哨戒艇の前部2連装銃座 | |
ジェイ ”シェフ” ヒックス | コルト M16A1 | − |
ブローニング M2HB | PBR河川哨戒艇の後部単装銃座 | |
サコー M60 | PBR河川哨戒艇の銃座 | |
タイロン ”クリーン” ミラー | コルト M16A1 | − |
サコー M60 | PBR河川哨戒艇の銃座 | |
ジョージ ”チーフ” フィリップス | S&W M10 | サンパンの臨検時に所持 |
コルト M16A1 | ジャングルからの襲撃時に使用 | |
サコー M60 | PBR河川哨戒艇の銃座から取り外して使用 ジャングルからの襲撃時に使用 | |
ウィリアム ”ビル” キルゴア中佐 | コルト M1911A1 | サイドアーム(未使用) 象牙のグリップパネル仕様 |
コルト M16A1 | 部下の銃(発砲無し) | |
ジミー (キルゴア中佐の部下) | サコー M60D | UH-1のドアガン |
アメリカ陸軍第1騎兵師団 空中機動部隊 (キルゴア中佐の部下) | コルト M16A1 | − |
サコー M60 サコー M60D サコー M60C | M60DはUH-1のドアガン M60CはUH-1搭載型(両側に2門ずつ装備) | |
GE M134 | UH-1のドアガン | |
ブローニング M2HB | M41軽戦車の機銃(発砲無し) | |
ローチ | コルト M79 | 虎縞模様の塗装仕様 ド・ラン橋の戦闘で使用 |
アメリカ陸軍兵士 | コルト M16A1 | ド・ラン橋の戦闘で使用 |
ブローニング M2HB | ||
照明弾ピストル | ||
UH-1 | サコー M60D | ドアガン(未使用) ニャ・チャンの情報局で登場 |
他のPBR河川哨戒艇*2 | ブローニング M2HB | 前部2連装銃座 |
コルト M16A1 | 操縦室の横に置いてある | |
ベトコン | 56式自動歩槍 | − |
USSR DShK | 撮影ではM2かM1919A4をDShK風に改造 | |
サンドラ・ビーティー ”ミス8月” | コルト M16A1 | 慰問ショーで使用(発砲無し) |
テリー・テレイ ”ミス5月” | コルト M16A1 | 慰問ショーで使用(発砲無し) |
ミス・キャリー・フォスター | コルト SAA | 火薬式の玩具 二挺拳銃 慰問ショーで使用 |
警備兵 | コルト M16A1 | 慰問ショーで所持 |
ラフェーブル (フランス人植民者) | MAT モデル1949 | フランス人の農園で所持(発砲無し) |
フランス人が雇った傭兵 | 56式自動歩槍 | フランス人の農園で所持(発砲無し) |
US M1918A2 | ||
ウィンチェスター M2 | クリーンの葬儀時に所持 | |
リチャード・M・コルビー大尉 | イサカ M37 | 着剣装置装着 放熱カバー装着 カーツ帝国で所持 |
カーツ帝国の山岳民族 | 56式自動歩槍 | 発砲無し |
コルト M16A1 | ||
コルト M79 | ||
サコー M60 |
■ベトコンの拠点でのサーフィンを咎める部下に対して、キルゴア中佐が放つ台詞:
"Charlie*3 don't surf!"
(ベトコンがサーフィンをするか!)
ちなみにこの台詞は、ゲーム『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア?』のステージ名(ステージ5)に使用されている。
■ベトコンが潜むジャングル地帯を爆撃した後のキルゴア中佐の台詞:
"I love the smell of napalm in the morning."
(朝のナパームの香りは格別だ)
この台詞は、アメリカ映画協会による名台詞ランキングで第12位に選ばれている。
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