ファイファー ツェリスカ / Pfeifer Zeliska 【回転式拳銃】 †
オーストリアの狩猟用銃火器の販売・カスタムを行っているファイファー・ヴァッフェン(Pfeifer Waffen、独語「ファイファー火器」の意)が開発した、.600 NE弾を使用するハンティング用のシングルアクション式リボルバー。
.600 NE弾は二連ライフルなどに使用されている象撃ち用のマグナムライフル弾の内でも非常に大口径のもので、そんな弾薬を使用するツェリスカは地上最強の拳銃と呼ばれる事もあるが、全長55cm・重量6kgのリボルバーはもはや拳銃と言えるかどうかすら疑わしい。ただ、その重量のおかげで撃った時の反動は抑えられ、熟練者でなくとも扱うことが出来るらしい。
象撃ちライフルに比べればバレルが短いため.600 NE弾の性能を最大限に引き出すことはできないが、それでもマズルエネルギーは約4600ft-lbsとなり、.500 S&W弾(2700ft-lbs)を遥かに凌ぐ威力を持っている。
ハンドメイド品であるため値段は13,840ユーロ(日本円にしておよそ200万円)と、こちらも拳銃としては地上最高級である。
なおこうしたマグナム・ライフル弾仕様の拳銃はこれが初めてという訳ではなく、同様の拳銃は無数に存在する。最初に作られたツェリスカ拳銃はいつのものか不明であるが、少なくとも1996年時点でこの拳銃は一度ギネス・ワールドレコードに「世界最大のリボルバー」として登録申請された。しかし当時のギネス審査委員会は何故か「戦争にかかわる事柄の記録は認められない」としてこの申請を却下している。
この製品も他の類似品と同様、非常にマイナーな存在のまま終わる筈であったが、2005年度にギネス世界記録に登録された「世界最大のリボルバー」*1に関する記事にこの製品が誤って引用され、更にその記事を元に某有名ニュース系ブログが「世界最大のリボルバー、その名はツェリスカ」とする記事*2を書いたため、「世界最大のリボルバー」として誤って広く知られるようになった。
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