ベルダン M1870 / Berdan M1870【小銃】

ベルダン II M1870
モデル全長重量口径装弾数製造国
M1868(ベルダン I)1300mm4.2kg10.75mm×58R1アメリカ
M1870 (ベルダン II)1350mm10.75mm×58R / 7.65mm×54R1イギリス
ロシア帝国

 1868年にアメリカのハイラム・ベルダンによって作られたシングルショットライフルである。

 ベルダンのライフルは、当時のロシア帝国向けに2種が作られ、いずれもロシア軍に主力歩兵銃として採用されている。最初のモデルがM1868、またはベルダンIとして知られるトラップドア・ブリーチブロック式ライフルで、アメリカのコルト社で製造され、納入された。
 もう一方が、M1870、またはベルダンIIとして知られるモデルである。ボルトアクション式で歩兵銃モデルのほか、短銃身モデル3種が製造された。最初の生産はイギリスのBSA(バーミンガム・スモールアームズ、ベサ)で行われ、のちにロシア国内の各工場で大量生産が行われた。総生産数はおよそ300万挺とされる。1870年から当時のロシア陸軍に配備され、1877年からの露土戦争で活躍した。1891年にモシンナガンにその座を譲って退役となったベルダンM1870は、二線級火器ないし後方部隊用として日露戦争、第一次大戦、ロシア内戦、独ソ戦に至るまで使用され続けた。

 ベルダンM1870はシンプルな構造で高い精度と信頼性で知られる。後継としてモシンナガンが登場して以降は、民生ライフルとして製造され、散弾銃バージョンを含む狩猟スポーターモデルが、1930年代までロシア国内で生産・販売された。
 日露戦争後には戦利品として日本へも渡り、猟銃として使用されている。 三毛別羆事件のヒグマを仕留めた猟師として知られる山本兵吉が携えていたのが、このベルダンM1870である。

各種バリエーション

モデル特徴
M1868(ベルダン I)トラップドア・ブリーチブロック式ライフル。アメリカのコルト社で製造された。
M1870 (ベルダン II)ボルトアクション式の歩兵銃モデル
ドラグーンライフルM1870の軽量・短銃身モデル
コサックライフル短銃身モデルからトリガーガードを廃し、ボタン型トリガーとしたモデル
キャバルリー・カービンM1870の騎兵銃モデル
 
登場作品ジャンル使用者備考
ゴールデンカムイ項目参照
デルス・ウザーラ(1975年)映画デルス・ウザーラベルダンII

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