モデル | 全長 | 銃身長 | 重量 | 連射速度 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
M50 | 959mm | 279mm | 3.1kg | 550発/分 | .45 ACP | 12/20 | S/F | アメリカ |
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M55 | 787mm | 279mm | 2.8kg | 500発/分 |
M50は1940年にアメリカのハーリントン&リチャードソン社のユージン・レイジングにより開発された短機関銃である。設計段階では主に法執行機関向けとして考えられていた。
当時の短機関銃としては珍しくクローズドボルトで、作動方式はディレードブローバックである。ディレード方式は機関部との摩擦抵抗でボルトを遅延させるもので、砂・ホコリに弱く頻繁な清掃を要求した。コッキングハンドルは下部に位置しており(マガジンの前方)、若干操作しにくく、清掃に余計な手間がかかったという。セレクターはリアサイト前方の右側面に位置する。
第二次世界大戦において米軍にM1トンプソン短機関銃やM3グリースガンと共に採用されていた銃で、主に太平洋戦線で海兵隊に用いられた。最初は海軍や海兵隊において後方部隊に装備されていたが、太平洋戦争が勃発した際に短機関銃の需要が高まったため、一線級装備として調達されるようになり*1、ガダルカナル島やソロモン諸島などで戦闘に投じられた。大戦を通しての米軍への納入数は100,000丁ほどで、また、武器貸与法(レンドリース)によりソ連等にも供給された。
太平洋戦線におけるジャングル戦では接近戦が多発したため、軽く連射力が高く取り回しの良いM50は重宝された。しかし、中々反動が大きかったうえになまじ連射力も高かったためマズルジャンプが大きく(単発あたりでの精度はM1トンプソンを超えると一部で言われるぐらいだったのだが……)、兵士からは製品名をもじりライジングというあだ名が付けられたという。加えてこの銃は元々整備に余裕のある法執行機関向けに開発された銃だったため、過酷な戦場での信頼性の低さも問題となった。
結局M50は作動の問題を解決できず、M1トンプソンなどとの交代も進み、米軍は折り畳み式ストックのついたM55(評判はM50よりずっと悪かったとか)を空挺部隊用に残し、殆どのM50は終戦を迎えぬ内に退役となった。が、あまり攻撃的でない外見や、軽量かつ優れたバランス、セミオートでの射撃精度の高さなどが評価され、M50はセミオンリーカービンモデルのM60やM65ともども法執行機関で生きながらえた。
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