自動拳銃で、弾を撃ち尽くした際にスライドを後退した状態でロックする装置。新しい弾倉を装填した際、スライドリリースレバーを解除すれば、自動的にスライドが前進すると共に初弾が薬室に装填されるので、弾倉交換のたびに手動でスライドを引いてコッキングする必要が無いという仕組み。
構造的には、撃ち尽くして空になり、押しあがってきたマガジン・フォロワーが、銃内部のスライドストップのリリースレバーと連動した部分を動かし、リリースレバーがスライドの切り欠き溝に噛み合うことによってロックする。ベレッタ M1934など、一部の古い設計の自動拳銃は、マガジン・フォロワーが直接スライドに引っかかってロックする仕組みになっている。このためこれらの場合は、空マガジンを引き抜くと、勝手にスライドが元の位置に戻ってしまう。
スライドストップがかかった状態はホールドオープンと呼ばれ、弾切れになったことを射手に知らせる、副次的な機能も持つ。
拳銃に限らず、自動小銃、突撃銃などの各種自動火器にも同様の機構を持つ物が多い。この場合は「ボルトストップ」または「ボルトキャッチ」と呼ぶ。
後退したボルトをリリースする機構は「軽いコッキング操作を要するもの」と「ボタン操作によって可能なもの」に分かれる。前者には89式小銃やSVD、G36*1などがあり、後者はM16/AR15シリーズやMP7などが挙げられる。ボタン式リリースは、中でもM16/AR15はユーザーが多いことから、同様のデザインとして操作の共通化を図ったものも見受けられる。例:SCAR、MPX、UMPなど。
リロードの際、リコイルスプリングに抗しながらのコッキング操作が省ける一方、わずかながらも部品点数が増え、構造が複雑化するほか、再装填しないままだと薬室が開放されたままになり、侵入したダストなどがジャム(作動不良)の原因になるなどの難点もある。このため、AK47系や、FNCのように、ボルトストップを備えていない自動火器も存在する。
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