タレス ブローパイプ / Thales Air Defence Blowpipe 【地対空誘導弾】 †
1975年より、イギリス陸軍および海兵隊に導入された個人携行用の対空防御システム。 しかしジョイスティックによる操作は、二次元的な機動を取る地上兵器ならまだしも、三次元的な機動を行う航空機相手では命中させる事は非常に困難だった。初陣であるフォークランド戦争ではブローパイプにより11機の敵機を撃墜(うち未確認が2機)したと公表されているが、その内訳は全て低速機であり、それさえも数百発費やしてようやく、あるいは射手の職人芸的技術による戦果だったとされている。 またソ連によるアフガニスタン侵攻(1979年〜)時には、抵抗勢力であるムジャヒディンの支援として、MI6とCIAがソ連の戦闘ヘリの脅威に対抗するためにブローパイプを供給した。しかし手動での正確な誘導は前述のとおり至難の業であり、戦果よりも被害が増える一方で、却ってムジャヒディンを失望させる支援となった。この埋め合わせとして、CIAは虎の子の最新型であったスティンガーを供給する羽目となる*1。 結局、運用が難しいブローパイプは10年で製造終了し、後継のスティンガーに駆逐される形で早々に姿を消した。
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照
|