狙撃銃 / Sniper Rifle

 読んで字のごとく、遠距離の敵ないし重要目標を精密に狙撃するための銃のこと。「狙撃」とは拳銃でも機関銃でも行える行為だが、一般に「狙撃銃」といわれる銃は、高精度に仕上げられ、さらに中〜高倍率の光学望遠照準器を装備したライフルである。
 高精度なライフルにスコープを取り付けただけの銃ではなく、最初から遠距離狙撃を目的として開発された銃が登場したのは19世紀と言われる。

 狙撃銃は大まかに、手動のボルトアクション式と自動式のセミオートマチック(フルオート機能の搭載は問わない)の2つに分かれる。
 どちらも一長一短があるため、ケースによって使い分けられている。

 ボルトアクション式は構造がシンプルなために故障しづらく、さらに実戦投入以前の製造段階で精度を高めやすい。しかし一射ごとに再装填を手動で行わねばならないため、連射力や射撃時の姿勢に制限がある。単に火力が劣るだけでなく、運用技術の習得が難しい問題がある。
 オートマチック式は、連射が可能で複数の目標に対応しやすく、運用も容易であるため一般の歩兵や警官にも普及させやすい。訓練を積めば自衛用のカービン短機関銃なども不要となる。ただし構造が複雑なため、故障・ジャムのリスクが大きくなり、製造コストもかさむ。同じ性能のボルトアクション式と比べると軒並み高価である。

 また、対物火器として製造された大口径のアンチマテリアルライフル(対物小銃)も使用されることがある。.50口径以上の巨大な機関銃/砲弾を使用することで、危険な爆発物や通信施設などの「物体」を遠距離から破壊する武器ではあるが、その火力と射程を生かし、超長距離用の対人狙撃銃としても使用される。
 (しばしば俗説で「大口径弾を使用した対人射撃はハーグ条約違反のため「対物」としている」とされることがあるがこれは誤りで、現に米軍などでも「M107 Long Range Sniper Rifle(長距離狙撃銃)」として対人用であることを明記している)
 最大射程は2000m以上、物陰に隠れた目標を遮蔽物ごと撃ち抜くこともできる。飛行機のハイジャック犯を制圧する際、窓ガラスごと撃ちぬけるこの銃が使用されることもおおい。反面、歩兵が個人運用する兵器としては非常に大型、大重量であるため取り回しが悪く、銃も弾も歩兵用としては高いという問題もある。
 


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 軽量高速弾は一般的に遠距離でエネルギーを失いやすく横風耐性も弱くなる傾向にある。そもそも5.56mm弾が「歩兵の交戦距離で十分な殺傷能力を持ちながら反動が小さく連射しやすい弾」を目指した弾で、「一撃で仕留める」傾向にあるの狙撃銃と真逆の特性を持ってるから使いづらいとも言えるかも。 -- 2019-07-14 (日) 22:31:08
  • 大抵の狙撃に必要な中長射程での威力が不足しがちですし。とはいえ、5.56より僅かに弱い5.45でもSSG82という狙撃銃もありますし、用途によっては小口径高速弾でも問題無いのでしょう。 -- 2019-07-15 (月) 00:14:44
  • 「真逆の特性」だの「用途によっては」だの、要は「近距離なら」小口径でも狙撃銃として使えるというだけの話だろ。最初に「狙撃には厳密な定義はない」と分かりやすく返されているにも関わらず、どうして長距離に限定して要点を外しているのか理解できんね・・・ -- 2019-07-16 (火) 00:58:11
  • 半年以上前のコメントにいうのもあれだが、狙撃という言葉が長距離に限定されている印象は最近あるよなぁ…意味は本来はそのまま確実に狙って撃つみたいな感じだから十数mくらいの短距離でも拳銃でも、狙撃といえることもあるんだよな。 -- 2020-03-15 (日) 03:00:55
  • そもそもAR15ベースでもMk12という狙撃銃があるのに何言ってるのだかって。他方、QLU-11とかいう狙撃擲弾発射器すらあるように、弾が何であれそれで狙撃する必要があるならその弾を使う狙撃銃は作られるよ。 -- 2020-03-15 (日) 20:10:58
  • 最近どころか何十年も前からそうだろう。「狙って撃つ」目的でも、拳銃や散弾銃が狙撃銃を名乗った例は、自分の知る限りじゃ存在しない。 -- 2020-03-15 (日) 20:37:35
  • そうでもないと思いますが?そもそも英語のsnipeと日本語の狙撃は意味が違いますので。日本語ですと伊藤博文や警察の長官が数十m程度で撃たれた事件も「狙撃」と言われ単なる待ち伏せによる銃撃を指すことも多いので。 -- 2020-03-16 (月) 03:02:11
  • 拳銃ならMR73がGIGNの要求で狙撃銃仕様が作られてる。散弾銃の場合は狙撃銃とは呼ばれてはいないにせよ、スラッグ弾専用散弾銃の幾つか、MSS-20などの殆どは高精度の銃身やトリガーメカに加えてスコープを載せ、実質的に狙撃銃として使われていますでしょう。 -- 2020-03-16 (月) 03:11:19
  • そもそもここでの話がこじれているのは、単に軍用の狙撃銃とそれ以外が混同されているからでしょう。軍用では今は5.56mmの自動小銃が基本ですから、それを上回る精度・射程でないと軍用の「狙撃銃」である意味がない(MK12もマッチ弾の併用前提ですからね)。それ以外の用途では射程に関係なく精度の高い射撃に使用される「狙撃用の銃」は存在する、というような話かと。 -- 2020-03-16 (月) 07:56:33
  • 狙撃銃はその運用上、銃身や薬室が過熱するほど撃たないと思うのですが放熱重視のハンドガードになってるものがあるのはなんででしょうか? レイルハンドガードだったり、マウントレールになっているのは任務で各種アクセサリーを使用する為でしょうけれども、それに放熱とかが関係あるとは思えないです 放熱重視に見えて、実は雨天時の湿気対策の通風だったりとかですか? -- 2021-02-27 (土) 21:02:08
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