円状に弾薬を装填するシリンダー状の回転式弾倉によって、弾を連続発射する機構をもつ拳銃。
回転式拳銃の原型は、ペッパーボックスピストルと呼ばれる多銃身拳銃である。一つの撃発装置で、薬室とセットの銃身の束を回転させることで連続射撃を行う仕組みだったが、これをさらに銃身を一つにし、薬室の束だけを回転すればよいという発想の元に、回転式拳銃は生まれた。
連発可能とはいえ、大きく重かったペッパーボックス式に比べ断然効率が良く、実用的な製品としては最初のリボルバーであるコルトのパターソンの登場を皮切りに、19世紀から20世紀初頭に駆けて主流になった。
パターソンを始めとして初期のリボルバーは「パーカッション式」の撃発方式だったが、さらに時代が経つと、金属式薬莢の弾薬を使用するS&W社製のモデル1が登場する。これが近代的な拳銃の元祖となる*1。
現在では装弾数の少なさから自動拳銃にシェアを大きく奪われたが、構造的にシンプルで強固なため、マグナム弾や強装弾向けの銃としてハンティングや競技シューティングの分野では未だに根強い人気がある。また、自動拳銃に比べ作動の信頼性が高く、発砲に至るまでの操作がごく平易なことから、市民の護身用や普段あまり銃を撃たない地域の警官、予備武装などの用途で使用されている。信頼性の高さを見込んで特殊部隊やSWATなどの隊員が個人的に導入しているケースもあり、変わったところでは、フランスのGIGNのようにマグナム弾仕様のリボルバーが制式化されている例もある。
見た目はどれも同じようなリボルバーだが、スイングアウトの方向が異なる銃や中折れ式(ブレイクオープン)の銃、フルート(弾倉外縁に彫られる肉抜き溝)の有無、弾倉の形状*2など数多くの種類がある。また、射撃時の弾倉の回転方向も右回りと左回りがある*3。また稀ながら、フォスベリーやマテバ 6ウニカのような自動コッキング機能を有するものもある。
リボルバーの弾倉は5〜6発入りというのが普通だが、近年は銃に使われる金属等の材質が向上したため、7〜8発入りの製品も一部で登場し始めている。
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