マウザー MG151 / Mauser MG151 【機関砲】
ドイツのマウザー社が開発した航空機搭載型機関砲。第二次世界大戦中、メッサーシュミットBf109(Me109)やフォッケウルフFw190などドイツを代表する戦闘機だけでなく、爆撃機などドイツ空軍で幅広く装備された他、三連装で装甲ハーフトラックに搭載された対空自走砲仕様(ドリリング)もあった。 Bf109戦闘機には昔から、中空のシャフトを通しプロペラスピナーから発射する「モーターカノン」が搭載できるようになっていたが、初期の機体に搭載されたエリコン系のイカリアMGFF機関砲では振動により作動不良が頻発、結局翼内装備のみとなり、このMG151の登場でようやくものになった。大戦中はBf109F型以降やTa152など、戦後もユーゴスラビアでライセンス生産されたYak-9にモーターカノンとして搭載されている。 大戦中には日本にも、約40万発の弾薬とセットで「マウザー砲」として潜水艦に載せて800挺が輸入され、三式戦闘機「飛燕 一型丙」に搭載された。しかし薄殻構造の弾頭も鉄から搾り出して作る薬莢も日本では国産化不可能で、弾薬が使い果たされた段階で使用できなくなった。本体の製造にも大変な工作精度が必要であり、アメリカ軍ですらコピー生産したものが、作動不良を頻発し失敗している。 余談ながら本銃専用のライフルグレネード開発計画も存在し、1941年11月にヘルマン・ゲーリング航空研究所によって研究がレポート化された。航空機用機銃(実質的な機関砲)にライフルグレネードの組み合わせは奇抜に思われるが、堅牢性に優れる敵爆撃機等を一撃で屠れる有力な兵器として研究されていたらしい。ロケット推進により400m以内なら機銃弾と同じ着弾点を示し、擲弾と弾丸の両方を一つで装備できるという点でも、優秀であると見なされていた。
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