フラグメンテーション / Fragmentation † 直訳すれば『断片化』。弾丸が人体内で有効なダメージを与える時に起こる現象。 弾丸は超音速の凄まじい速度で空気中を前進するが、これが水分の多い物体(即ち人体。人体の約70%は水分である)に突入すると、速度は同じであるにも関わらず、水中では空気中の20倍近くも抵抗があるため、弾丸に突如巨大な抵抗が発生し、弾丸は急速に停止してしまう。 ただし実際には、フルメタルジャケット弾のような強固な金属で弾丸が覆われている場合には、ジャケットが弾丸の断片化に抵抗している間に人体を突き抜けてしまう事も多い。このため、拳銃弾ではJHP(ジャケテッド・ホローポイント)、ライフル弾ではセミジャケット弾など、対人用途では弾頭の一部を露出させるような形状にすることで、フラグメンテーションを起こしやすく工夫している。 こうしたフラグメンテーションの原理はたびたび誤解され、『弾丸の破片が体内を切り裂くことで大きなダメージを与える』現象とも言われて来た。この誤解によってG2 RIP弾のような、『最初から弾がバラバラの破片を繋げたもの』のようになっている弾丸も登場したが、『普通の弾丸がバラバラになるような爆発的現象が生じること』こそがフラグメンテーションの有効性であり、バラバラになりやすい弾丸は単に体内で別々の破片として貫通するのみで、爆発的なダメージを与える事は無い。 一方、この現象が現在のところ銃火器が対水用として適さない原因となっている。フラグメンテーションは前述の通り、速度が高いほど発生しやすいため、高初速のライフル弾などは空気中から水中へ突入すると、即座に断片化してエネルギーを発散してしまい、ほとんど進むことが出来ない*1。低初速の拳銃弾であればある程度は直進可能であるが、速度は大幅に減速され、射程もせいぜい数mといったところである。 最新の10件を表示しています。 コメントページを参照
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