映画やドラマなどにおける、銃を使った演技や演出一般のこと。
ガンプレイの志向には大別して『リアル系』と、『フィクションならでは』のものがある。リアル志向のものはそのものズバリで、軍隊や治安機関などの実戦的・実用的な装備や銃さばき、射撃、フォーメーションなどをなぞったもの。『プライベート ライアン?』や『ブラックホーク ダウン?』の様なセミ・ドキュメンタリー的な作品はむろんのこと、『スズメバチ』や『ビバリーヒルズ コップ?(第一作)』といった娯楽系作品でも目にすることがある。また、この路線では日本のガンアクション系アニメーションはかなり高いレベルにある。
実戦的な分どうしても動きは抑制的になり、派手さには欠けるが、逆にその抑えた演出やアクションが、(例え見る側にその知識が無くとも)撃つ、撃たれるの緊張感をみなぎらせ、画面を引き締めてくれる。『ビバリーヒルズ コップ』などはどちらかと言えばコメディ志向の作品だが、時折見せる本気モードのガンプレイで「軽薄そうだが実は凄腕の主人公」を描くことに成功している好例と言える。
もう一つはあえて(?)実戦や実用性には目をつぶり、言わば理屈抜きの迫力・面白さを目指したもの。「二挺拳銃」や「クロスファイア」、「スリーブガン」、「スピンコック」、「ファストドロウ(早撃ち)」、射撃を伴わないものでは「メキシカン スタンドオフ」や、トリガーガードに指を引っかけて銃をくるくる回してみせる『ガンスピン』などもこれに含まれる。また、「ガン=カタ」などもこの路線を突き詰めたものと言えるだろう。
現実の制限を取り払った分、見映えの良い思い切った演出ができるのが強みだが、あまりやりすぎると、「ろくにマガジンも交換しないのに、弾切れもせず延々と撃ちまくる」といった、荒唐無稽で冗長な銃撃シーンができあがってしまう。ある程度のリアリティや、観る者を納得させる"何か"をうまく織り込み、観客にあら探しをさせない、許さないのがうまいガンプレイの演出であり、クリエイターの腕の見せ所と言える。
例えば「ガン=カタ」は隠し味としてCQBやCQCを仕込んでいるし、『ターミネーター』や『ロボコップ』では主人公をロボットとすることで、ノーガードの銃撃戦や、生身の人間では不可能なガンアクション(後ろにいる敵を振り向きもせず撃つ、など)も"あり"と見せている。
『ダーティハリー』や「ガン=カタ」のように、銃や技の威力をセリフでわからせるのも一つの手だ。実際には.44マグナムでも突っ込んでくる自動車(それも大柄なアメ車)を止めるのは至難の業だが、「こいつは世界一強力な拳銃なんだ」と大見得を切られてしまっては、もう文句などつけようがないのだ。
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