・ストーリー
21世紀末の近未来。アメリカ政府が発見した新種のウイルスは瞬く間に広まり、世界を変えてしまった。
感染した超人間≪ファージ≫は、体力・知力ともに驚異的な能力を備えている反面、感染後12年で命を落とす運命を背負うことになった。
この驚異的なパワーを秘めたファージに恐れを抱いた人間政府は、彼らの抹殺を企てる。
一方、生き残ったファージも反政府組織を結成、ファージと人間政府の激しい戦い≪血の戦争 -the Blood Wars- ≫が勃発した。
その戦争の最中、政府は彼らを一瞬で絶滅させる最終兵器を開発する。対してファージ側は、その兵器を奪取すべく最強の殺し屋を送り込んだ。
彼女の名はヴァイオレット・ソン・ジャート・シャリフ(Violet Song Jat Shariff)。ウイルス感染をきっかけに、最愛の夫と子供を政府に奪われた彼女の生きる目的は、もはや復讐しかなかった―――。
・作品解説
本作の監督は、『リベリオン -反逆者-?』でガンアクションの新機軸「ガン=カタ」を生み出したカート・ウィマー。主演は『バイオハザード(映画)』で、ヒロインを演じたミラ・ジョヴォヴィッチ。映画の特徴として、ウィマー監督の前監督作品や、ミラの出演作品との類似点(オマージュ?)が少なからず挙げられる。
・ヴァイオレットが使用する銃のマズルフラッシュの形状が、バイオハザードロゴ*1になっている
(『リベリオン -反逆者-?』では、クラリックガンのマズルフラッシュは"十字型"である)
・主人公の主武装がカスタム仕様であったり、銃本体に近接格闘用兵装が内蔵されている
・二挺拳銃の使い手、一人対多人数の戦闘、管理社会への反抗……といったキーワードは『リベリオン -反逆者-』、
「ウイルス」「血液」「感染」……といったキーワードは『バイオハザード』と、それぞれの作品に共通する特徴がある
本作のアクションは、東洋武術の型を参考にしていながら、あくまで銃を主体としている『リベリオン -反逆者-』のガン=カタとは異なっている。戦闘の主体は銃ではなく、(新体操の優雅な動きを取り入れた)剣術や蹴り技、そして昨今の格闘術のトレンドになりつつあるCQC……といったように、格闘戦を重視している。
ヴァイオレットの服装は、一見すると武器を携帯するスペースが無いように思われる。しかし、次元圧縮テクノロジーを応用したブレスレットが、「小さな武器庫」の役割を果たしている。具体的には、物質を素粒子化し、その組織を分解・合成し、瞬時に武器の出し入れが出来るというもの(または、武器をデジタルデータ化して格納している、という説もある)。
同じく、ヴァイオレットが使用するスクウェアガンとガンブレード?にも上記のテクノロジーが応用されており、かなりの弾丸の装填を可能にしている。
ウィマー監督の前監督作品『リベリオン -反逆者-』では、スリーブガンギミックや独特の装弾ギミック(演出)が見られたので、それらのシーンが無い本作は銃好きな人にとって複雑な心境かもしれない。だが、止まる事を知らぬガン=カタは、まさに"舞いを舞っているような"銃撃戦を上手く演出していると言える。
銃主体のGUN=KATAを期待していた人には物足りなさを感じるかもしれないが、しなやかな体躯から繰り出されるアクロバティックなアクションは、見る者を圧倒することだろう。
ガンファイトに関しては、ガン=カタ項目の「ウルトラヴァイオレットでのGUN=KATA」を参照のこと。
使用者 | 銃器名 | 備考 |
ヴァイオレット・ソン・ジャート・シャリフ | G18 スクウェアガン | 箱型スタビライザー装着 二挺拳銃時もあり |
M10 ガンブレード? | 曲線型デザイン グリップエンドにブレード内蔵 二挺撃ち時もあり 統合省での戦闘で使用 | |
コルト M4A1 | 研究所で戦闘員から強奪(発砲無し) 二つに分解し、打撃武器として使用 | |
ベレッタ M92FS | 自殺用(発砲無し) | |
シグ SG552 | 統合省で兵士から強奪 | |
小型火炎放射器 | ダクサスの銃を使用 | |
ナーヴァ | ベレッタ M92FS | 手下から借用 |
ナーヴァの手下 | ベレッタ M92FS | − |
シグ SG552 | ニードルタワーで使用 | |
ファージの強襲部隊 | HK G36C | ストックレス 血液バンクの襲撃時に使用 |
使用者 | 銃器名 | 備考 |
フェルディナンド・ダクサス | ベレッタ M93R 1st | 衛生用アルミパック包装時もあり ファージ射殺時と”1対700”の戦闘で使用 |
小型火炎放射器 | ラストバトルで使用 | |
政府(統合省)の兵士 | シグ SG552 | 全編通して使用 |
HK G36C | ||
GE M134 | カスタムモデル ヘリ搭載型 チェイスシーンで使用 | |
ウイルス研究所の警備隊長 | HK G36C | 公園のシーンで所持(発砲無し) |
ウイルス研究所の警備兵 | シグ SG552 | ホワイトカラーモデル 検査ルームで所持(発砲無し) |
ウイルス研究所の戦闘員 | コルト M4A1 | カスタムモデル |
血液バンクの警備員 | ベレッタ M92FS | 感染した同僚の射殺に使用 |
警察官 | コルト パイソン | 4インチのシルバーモデル ノンフルートシリンダー 回想シーンで使用 |
ベネリ M3 | チェイスシーンで使用 |
使用者 | 銃器名 | 備考 |
カーウァイ | ベレッタ M92FS | ニードルタワーで使用 撃たれた際に1発発砲 |
ブラッド・シノワの構成員 | ベレッタ M92FS | ニードルタワーで使用 |
■タイトルロールやトレーラー(予告編)でのヴァイオレットのモノローグ:
"Hello, my name is Violet...and I was born into a world you may not understand."
(私はヴァイオレット…そして私が生まれたのは、あなたの理解を超えた世界)
決めゼリフではないが、ウイルス感染に怯える世界、次元圧縮テクノロジーや重力レベラーといったオーバーテクノロジーが存在する近未来観を象徴している効果的なセリフである。
■「1対700」のシーンで、"Give me what I want.(私から奪ったモノを返してもらおうか)"と憤怒するダクサスに向かって:
"Come and get it."
(力ずくで奪い取ってみれば?)
ちなみに映画『エスケープ フロム L.A.』には、この「1対700」と酷似するシーンがある。(一部分とはいえ)全く同じセリフ、動き、状況…まるでデジャヴを見ているようで興味深い。本作品の「1対700」シーンは、『エスケープ フロム L.A.』へのオマージュだろうか?
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