弾倉を備えずに一回の発射ごとに手動で弾丸を薬室に装填する銃、またはその構造のこと。連発機構が普及した20世紀以降でも、ライヒトピストーレやトンプソン/センターのコンテンダーのような、次弾の装填を素早く行う必要のない、競技銃、狩猟銃、信号銃などで見られる。
シングルショットの銃は、排莢や次弾装填のためのメカニズムを排することから、構造が単純で安価かつ頑丈にできるという利点がある。このため、過去には第一次世界大戦時にてドイツが使用したマウザーM1918対戦車ライフルのような非常に強力な弾丸を扱うライフルで採用された。また、超遠距離から狙い撃つ銃であれば、敵からの反撃を考慮する必要は少ないので、単発式でも圧倒的不利にはならない。
拳銃にも射撃競技や狩猟用として、多くのシングルショットモデルがある。これは単発中折れ式のライフルからストック?を省略、銃身を短くしたような外見を持っている。単発とはいえ拳銃サイズでライフルの弾薬を使用できるので人気があり、アメリカではライフルの使用が制限されている州のハンターに需要がある。
なお、個人で携行するタイプのグレネードランチャーの多くがシングルショットであるのは、擲弾が40mmなどの大柄の弾薬であるため、弾倉や装填機構を組み込んだ場合に非常に重くかさばるためだ。とはいえ、多弾数化から得られる火力や即応性のメリットも大きいため、回転式弾倉を備えた個人携行型のリボルビングランチャーも少なくないシェアを持っている。
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