ライオットシールドは、主に警察で使用されている軽量な盾である。その他には一部の軍隊のほか、民間警備会社でも装備している。
その名のとおりライオットコントロール(暴動取り締まりor暴徒鎮圧の意味)に用いられ、暴動につきものの投石などの飛翔物や鈍器、刃物を防ぐように作られており、大抵は使用者の頭から膝の範囲を十分覆えるほどのサイズで設計されている。軽度の暴動では逆に小型のマンホール蓋程度のものが配備されている事もある。火炎瓶などを考慮して耐火性を備えたものも多い。
日本では、古くは機動隊の使用する上部に覗き窓のついたジュラルミン製のものが知られている*1。
使われている物の多くが盾ごしでも見通しの利く透明のポリカーボネイト製で、複数の樹脂層を作り強度を生み出している。取っ手の付き方もさまざまだが、一般的なものは、2つの取っ手が同じ高さで並んでいるものである。使用者は一方の取っ手に腕を通したあと、もう一方をつかんで、片手のみで保持する。形状は長方形や円形の物が一般的である。
防弾性能を持つものはバリスティックシールド(防弾盾)と呼ばれる。こちらは火器で武装した犯罪者を想定したもので、ライオットコントロールを目的とはしていない。ライフル弾の貫通にも耐える高い防弾レベルのものも存在するが、大半は覗き窓以外は全てボディアーマーに用いられるような素材と同じものを用いた不透明で重いものである。重量が嵩むため、鞄のように取っ手で持つものやあえて大型化し車輪によって手押ししたり、支持脚によって設置できるようにしたものも存在する。
SWATなどの警察特殊部隊が行う、ダイナミックエントリー(建造物等の突入・制圧作戦)に用いられるのは、いわゆるバリスティックシールドのほうである。縦列を組み盾を持った隊員が先頭となって文字通り盾になって乗り込み、その隊員の陰に隠れる形で後続が追従するパターンが一般的である。この場合、先頭の隊員の武装は拳銃のみとなり、発砲時にはシールド脇や上部から顔を出して照準するのだが、顔を出さずに覗き窓ごしに照準するために、拳銃を横撃ちよろしく構える隊員の写真も見られる。
メディア的にはビジュアル重視のためか、ほぼ完全に透明だが非常に高い防弾性能を持ったものが多い。映画では007 リビング・デイライツなどにおいて無色透明の防弾シールドが登場している。
FPSゲームでは特にプレイヤーの視界が大きく塞がれてしまうため、透明化する利点が強いといえる。著名FPS「コール オブ デューティ: モダン・ウォーフェア2」で登場して以来人気を博し、ライバルのバトルフィールドやPAYDAYシリーズといったゲームにも影響を与えている。もっとも、FPSゲームにおけるライオットシールドの起源自体は伝説的FPSカウンターストライクに遡る。こちらは現実的な覗き窓の付いた不透明なタイプのものであった。
ゲームでは銃器とのバランスの関係上、打撃で相手を無力化出来るほどの威力を与えられている事が多いが、ビジュアル面の問題か主にタックルとして描写されていることが多い。実際には主に底面を振り下ろすような方法で打撃に用いられ、窓などを割る時などにもそのように用いる。
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