全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
160mm | 596g | .32ACP .380ACP | 8+1 7+1 | ドイツ、イタリア |
マウザー社がワルサー社のワルサーPP、PPKに対抗して、1940年に開発した小型自動拳銃。HSとはHahn Selbspannungの略で、自動コック式ハンマーの意。すなわちダブルアクションのことである。試作段階でHSa、HSbと銘打たれたことから、最終形となる量産モデルの名が「HSc」となった。
HScのセイフティレバーはPP/PPKと同様、スライドに配されているが、ワルサーのそれと違いデコック機能は無い。レバーを下げるとファイリングピンの位置がずれ、ハンマーダウンしても発火しないという、マニュアル式ファイリングピンセイフティとなっている。また、トリガーガードが描く三角形状は、実はテイクダウンラッチのハウジングだが、これがHScの一目見たら忘れられない独自のスタイルを成している。全体にPP/PPKとの差別化への腐心が見て取れる拳銃である。
懐に隠し持てる、民間あるいは刑事の護身用といった趣の強いカテゴリーに属する本銃だが、完成が戦時中とあって、大半が軍、そして警察に納入された。当時、民間市場に流れたHScはわずかだったようだ。
バリエーションとして9mmx19弾対応の「HSv」がある
第2次大戦後のマウザー社は敗戦処理で工場を爆破され、技術者の多くが流出してしまった。再建こそされたものの戦後のマウザーはかつての活力を失い、自社開発・製造による自動拳銃を発表していない(ただしお家芸ともいえる重火器技術はまだ定評がありそちらは衰えていない)。HScは、事実上最後のマウザーオリジナルの自動拳銃といえるだろう。
現在はイタリアのレナートガンバ社が生産を引き継いでいる。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
アヴァロン | 映画 | アッシュ | ラスト付近にて |
大脱走 | 映画 | 親衛隊将校 | − |
フレンチ・コネクション | − | − | 項目参照 |
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