昔の種子島銃のように"1発ずつ撃つたびに弾を装填しなおさなければならない"銃を「シングルショット」という。現代ではあまり用いられない方式だが、競技銃、狩猟弾、信号銃などの分野では現役で活躍している。
シングルショットの銃は、弾を1発しか発射できない。しかし逆の視点から見れば、「排莢システムや次弾装填メカニズムが必要ない」ということにもなる。つまり構造を単純に、頑丈にできるという利点が生まれ、弾薬内の発射薬が生み出すエネルギーを全て弾の加速に使用できる。
もちろんこの場合、射手が発射の反動を全てその身に受けることになる。第二次世界大戦時にドイツやソ連が使用した対戦車ライフルは単発ものが多かったが、撃つたびに肩を痛めてしまい右肩・左肩の計2発しか撃てない「2ショットライフル(ツヴァイ・シュッツ・ゲベール)」などと揶喩された。
現在の対物狙撃銃でも構造単純化(=生産コストの節約)のため単発式のものがあるが、こちらはちゃんと衝撃吸収システムが装備されている。超遠距離から狙い撃つ銃であれば敵との銃撃戦を考慮する必要は少ないので、単発式でも圧倒的不利にはならない。
拳銃にも射撃競技や狩猟用として多くのシングルショットモデルがある。これは単発中折れ式のライフルからストック?を省略、銃身を短くしたような外見を持っている。単発とはいえ拳銃サイズでライフルの弾薬を使用できるので人気があり、アメリカではライフルの使用が制限されている州のハンターに需要がある。
また、信号銃やグレネードランチャーなど、大型の弾薬を発射する銃のほとんどが単発式である。
ワルサー カンプピストルやトンプソン コンテンダー。また、GM FP45 などがシングルショットの銃にあたる。
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