マグプル社が開発した新世代のアクセサリーレイル規格。大きさと間隔が規格化された丸角の長方形型スロット穴を介してアタッチメントや従来のピカティニーレイルを取り付ける仕組みとなっている。主にハンドガードでの使用を想定している。レイルハンドガードと異なり、開口部多くなる分軽量かつ放熱性が高いという特長を持っている。またレイルマウントと比べ凹凸が少ないため保持性も高い。
M-LOKをはじめとするモジュラーレイルシステム全般の弱点として、直接ハンドガードに成型されたピカティニーレイルと比べ耐久性、耐熱性、取り付け精度が劣ってしまう。このため、モジュラーレイルシステムのハンドガードでも照準器のために高い精度が求められる上面は直接成型のピカティニーレイルであることが多い。
レイルハンドガードは先進の銃器には当たり前の装備となったが、全面がレイル化されたレイルハンドガードはいくつか問題を抱えていた。まず大抵が金属製のため重くなりやすい。また、ギザギザのレールは別途カバーを付けないと手で保持しづらく、レールの加工精度によっては素手で触ると切り傷ができてしまう。そのためハンドガードを製造する各社は必要な分だけレイルをハンドガードに取り付けるモジュラーレイルシステムを模索し始めた。レイルハンドガードの先駆者であるKAC社もURX3で独自規格のモジュラーレイルシステムを導入している。
そんな中、2007年マグプルは自社開発のMASADAにMOE(Magpul Original Epuipment)という独自のモジュラーレイルシステムを導入した。後の2009年にはAR15向けのハンドガードに搭載され販売されることとなる。同時にMOEのスロットに対応したアタッチメント類も併売された。MOEは形状こそ現在のM-LOKに似ているが、MOEは従来のボルト+ナットの組み合わせで取り付けるもので、ハンドガードを銃から取り外した状態でなければ脱着が行えず、またスロット配置も十分なものでなく、アタッチメント配置の自由度が低かった。
そして2014年に登場したM-LOKはMOEの欠点を克服した。まず脱着については「Tスロットナット」を採用することで表側から、つまりハンドガードを銃に取り付けた状態でアタッチメントの脱着が可能になり、自由度の低かったスロット配置も改善された。また、アメリカ産まれながらメートル法に則って設計されているのも特徴である。
また、M-LOKはフリーライセンスでマグプルの許可を得ることでサードパーティーが無料でM-LOKシステムを利用することが出来る(オープンソースではないため無許可の使用はできない)。許可制とすることで、M-LOKシステムを採用した製品間の互換性を保証するという考えがあるようだ。
既に登場していたオープンソースのKEYMOD(後述)と規格争いをすることとなったが、2017年のSOCOM傘下のNSWCクレーンで行われた試験で「M-LOKの方がKEYMODより耐久性が高い」という結果が示された。その後更新が行われたSOPMODキットのハンドガードにはM-LOK規格が採用されている。
M-LOK登場の少し前の2012年にVLTOR Weapon Systemsによって開発されたマウントレール規格。M-LOKと同じスロット穴式であり、用途も同じである。特徴的なのがスロット穴で鍵穴のような形状をしており、名前の由来にもなっている。M-LOK同様ハンドガードを銃から取り外すことなくアタッチメントの脱着が可能な設計となっている。M-LOKと異なりこちらはオープンソースで自由な使用が許可されている。
ドイツのH&K社はKEYMODを独自に改良し、HKeyという名前で自社製品に採用している。KEYMODではヤード・ポンド法で設計されているのに対し、HKeyはメートル法のため、二者間での互換性はない。
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