アレス FMG / Ares FMG 【短機関銃】

ARES FMG
モデル全長(伸長時)重量口径装弾数連射速度発射形式製造国
FMG270(490)mm2,090g9mmx1930500〜600発/分Fアメリカ
M21不明不明9mmx19不明不明Fアメリカ
PP90270(485)mm1,830g9mmx1830600〜800発/分Fロシア

 1980年代にユージン・ストーナー氏が開発した携帯型短機関銃。FMGとは『Folding (sub)Machine Gun』を略したもので、つまり『折りたたみ式SMG』である。パテントの取得は1986年頃と言われている。
 当時、世界各国でテログループなどによる誘拐事件が多発。政府関係者のみならずビジネスマンまでもが標的となりつつあった*1。これに注目したストーナー氏は、携帯に便利で、なおかつ大きな火力を持つ自衛用火器の開発を思い立った。
 従来からMP5K?などの小型SMGをアタッシュケースなどに仕込んだ例はあったが、FMGはさらに一歩進んで、銃そのものが変形・擬態する。折りたたんだ状態では金属の箱形で、工具箱か何かのようにしか見えない。使用するときには、ちょうどホッチキスの針を替える時のように箱を開くと、中からグリップとマガジン、トリガーが現れて発射可能となる。慣れれば銃の展開・発射には数秒とかからない。なお、緊急時の接近戦での使用を念頭に置いているため、アイアンサイトなどは装備していない。
 ユニークな銃を数多く送り出したストーナー氏の手になる中でも、飛び抜けた珍銃(キワモノ?)で、開発目的といい、高い秘匿性といい、アストラ プレッシンのSMG版とでも言うべき銃である。しかし、あまりにも特異な性格と、同時期に発効したフルオート銃の規制法『FOPA86』のため、結局は少数が生産されたにとどまった。

 なお、パテントやライセンスの関係は不明だが、FMGにはバリエーションとも言える銃が2種類存在する。
 一つはボートマン(Boatman) M21で、アメリカのガンスミス、デーブ・ボートマンによって開発された。FMGと同時期の登場だが、こちらはサイト兼用のキャリングハンドルと擬装用のアンテナを備え、携帯型ラジオに見せかけている。このため『ラジオ サブマシンガン(radio submchine gun)』の異名も持つ*2

PP90M

 もう一つはロシア・KBP社のPP90で、やや遅れて1990年代の登場。こちらはFMGにより近いスタイルをしているが、口径を9mmx18に改めているほか、折りたたみ式のサイトの追加やコッキングハンドルの改良が行われている。ロシアの治安機関や特殊部隊向けに供給されている他、海外への輸出も行われており、このタイプのSMGでは最も成功したモデルである。
 後に改良型のPP90MやPP90M1も開発されており、PP90M1ではセレクティブファイア機構やヘリカルマガジンが組み込まれたが、操作性を重視した結果、折りたたみ機構は廃されてしまっている。

登場作品ジャンル使用者備考
ロボコップ2項目参照

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • バタフライナイフならぬ、バタフライガン。これに缶切りやナイフをつければ十得銃になりそう -- 2014-12-07 (日) 07:56:12
  • 一瞬どっちが銃口側か分からなくなった。にしても凄いデザインだな・・・・・・。 -- 2014-12-10 (水) 19:26:37
  • キノの旅でも出てきた気がする -- 2018-05-30 (水) 22:54:28
  • 作者がツイッターで言ってましたね。登場エピソードは「呟きの国」の -- 2018-05-30 (水) 23:38:52
  • 貼られてる画像PP90Mの前後のサイトに細長い部品が合体?しているように見えるんですが、それはなんなんでしょうか? それと、PP90は30連マガジンを装着した状態で折りたためんでしょうか? -- 2019-05-19 (日) 23:14:00
  • 前後両方のサイトに穴が開いており、そこにレーザーサイト(当時のものなので現在のフラッシュライト程のサイズ)が入ります。マガジンは当然装着状態で収納可能です。 -- 2019-05-19 (日) 23:43:13
  • ライトノベル「ミリオタJK妹! 異世界の戦争に巻き込まれた兄妹は軍事知識チートで無双します」の1巻で焼野が原みぐがFMGを発砲。地の文(本文)ではFMGとFMG-9の両方の表記あり(複数挺所持しているわけでなく、文章が主人公の一人称で進められているせいで発生した表記ゆれです)。焼野が原みぐ本人がFMGを元に同性能・同じ外観のものを製造し、使用。表紙絵・口絵・挿絵でも描かれています。 -- 2020-01-31 (金) 19:08:59
  • ↑表紙絵を見る限りキャリングハンドルとライトらしき物が見えるからこっちじゃ無くてマグプルのFMG-9じゃないかな?http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/index.php?%C3%BB%B5%A1%B4%D8%BD%C6/%A5%DE%A5%B0%A5%D7%A5%EB%20FMG-9 -- 2020-02-07 (金) 17:48:30
  • !? マグプルのFMG-9のページあったのですか! 素で見落としていました。ページが作成されていないので本文中に言及のあるページに書いておけば、問題ないと考えていました。 2020-02-07 (金) 17:48:30さん、どうもありがとうございます。反映していただいた方、すみませんが内容の付け替えお願いいたします。それと念のため書きますが口絵でファマスを所持しているのは間違いないです。あれはどう見てもファマスでした。ファマスのページで書いた情報は消去しないようお願いいたします。 -- 2020-02-19 (水) 18:46:26
  • 早速移転しておきました -- 2020-02-19 (水) 18:58:25
お名前:

*1 1986年には、フィリピンで当時の三井物産・マニラ支店長の誘拐事件が起きている。
*2 ただ、チューナーやボリュームダイヤルがついていないので、ややバレバレではある。

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