主に陣地に設置し、複数人による運用を行う機関銃の総称。もともと「機関銃」といえばこのクラスのことを言った。第一次大戦ごろ個人でも運用可能な軽機関銃が登場すると、従来のそれが重機関銃と呼ばれるようになった。
1862年に最初の機関銃であるガトリングガンが登場し、その後フランスのミトレイユーズ(Mi-trailleuse)やアメリカのガードナー銃など様々な物が開発され、1885年にアメリカの発明家であるハイラム・S・マキシムが発明したマキシム機関銃が登場しこれが現在の機関銃の基礎となった。
当時のマキシム系機関銃で50〜60kgとかなりの重量があったために、移動時には神輿のように複数人で担ぐか分解する必要があるなど小回りが利かないが*1、ベルト式給弾による高い持続射撃能力により、無類の威力を発揮した。当初の活躍の場は植民地戦争で、せいぜいがマスケット銃の貧弱な装備の現地軍に対し、無数の屍を築きあげた。第一次世界大戦ではその圧倒的な制圧力により新しい戦闘形態(塹壕戦)を作り上げた。飛行機や自動車が発達し戦場でも使われるようになると、これらに機銃として据え付けられるようになった。
元々6〜8ミリの小銃弾を使用するものだったが、航空機やトラック、戦車といった戦力の機械化、装甲化が進むと、これらを撃破可能な13ミリ以上の大口径のものが登場し、前者は中量級機関銃(Medium machingun)とも呼ばれるようになった。第二次大戦後、汎用機関銃が登場すると中量級機関銃はこれらに取って替わられてゆき、重機関銃は大口径が主力となった。装甲車輌や建物も貫通する程の威力がある為、対物火器としても扱われる。
大口径のものはブローニングM2やデシーカ、小口径のものはブローニング M1917、イギリスのヴィッカース重機関銃がその代表格。
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