銃のフォアエンド(前床)、あるいはフォアグリップを、手動で前後にスライド(往復)させて弾薬を装填・排出(排莢)する作動方式。
ポンプ(あるいは水鉄砲やスプレー)で水を汲む(噴き出す)様に似ているので『ポンプアクション』と呼ばれる。『スライドアクション』との呼び方もある。
ブローニングBPRやレミントン7600など、一部のライフルにも採用されているが、むしろレピータータイプ(連発式)のショットガンで一般的な方式である。
たいていの場合は、銃身下のチューブマガジン(弾倉)の周りを包む、円筒形のフォアエンドを前後に往復して、弾薬を装填する。
なじみのある方法なので、スパス15の様に、セミオートタイプや着脱式のマガジンを持つショットガンでも、わざわざポンプアクションのメカニズムを残しているものもある。
迅速な行動が要求される室内戦においては、万が一、突入直後に不発が起こったとしても銃を構えたそのままの状態からポンプするだけで再装填可能なため、不発時のリスクを最小限に減らすことが可能であり、ドアブリーチ用途を兼ねたポンプアクション可能なショットガンは必須のものとなっている。
なお、基本的には弾を装填するたびにトリガー(引き金)を引いて発射するが、中にはイサカ M37やウィンチェスター M1897、M12の様に、トリガーを引きっぱなしにしてフォアエンドをスライドさせるだけで、セミオート同然に連射できるものもある(→スラムファイアを参照)。
ショットガンは時に暴徒鎮圧の『ライアットガン(ライアット・コントロール・ガン)』としても用いられるが、フォアエンドを操作するときの『ジャキン』『シャコン』といった鋭い金属音は、発砲前の威嚇としても効果がある。
映画などでも、場面に緊張を加える有効な『効果音』としておなじみだ。
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