米軍のM249、M16A2/A3/A4及びM4系に使われる制式弾薬、M855カートリッジのこと。主として対人、対非装甲目標に対して使われる。NATOにてサブキャリバーとして選定された、FN社のSS109を採用したものである。
M855ボールは底部以外をギルディングメタルで覆われた、いわゆるフルメタルジャケットで、内部は先端部の空洞、次にスチールの貫通体、そして鉛という順に構成されている。弾頭重量は62グレイン(約4グラム)。先端内部の空洞にスチールのコアという構成は、ソビエト連邦AK74用弾薬である、5N7を参考に作られた。
先端内部の空洞により、人体に命中するとタンブリング(倒弾)を起こしやすくして対人威力を高めつつ、それでいてスチールのコアにより、適度な貫通力も併せ持つ。初速が毎秒900メートルを超えるほどの高速なので、150ヤード(約137メートル)以下の距離では、高確率で弾丸は人体内で砕け散り、かなりの対人威力を示す。
ただし、ライフリングのツイストレートが異なるM16A1以前のモデルでは、銃身内で弾丸が充分な旋転を得られず、飛翔距離が90メートルを超えると弾道が安定しなくなることから、誤用を避けるため識別に弾頭先端が緑色で着色されている。これが、M855がグリーンチップと呼ばれる所以となっている。
価格はアメリカ2005年度会計で、0.26ドル。
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