.338 ラプアマグナム弾は、軍用の長距離狙撃銃向けに開発されたボトルネック弾薬である。一般的な有効射程は約 1,500 m、威力は .308 NATO弾のおよそ2倍(約 5,000 ft-lbs)。世界で初めて「軍用狙撃銃弾薬」として設計された弾薬である。
当初、開発はアメリカ海兵隊からこの要望を受けた同国のリサーチ・アーマメント・インダストリーズ(RAI)社で1983年にスタートし、.416Rigby弾をベースにより貫通力を強化するため8.6mm(.338)に小口径化した.338/416弾が開発されたが、最終的にRAI社からプロジェクトを引き継いだフィンランドの有名な弾薬メーカー・ラプア社(Lapua)と、イギリスのアキュラシー・インターナショナル(AI)社とのジョイントベンチャーによって、1989年に.338ラプアマグナム弾として完成した。
現在では、より長射程の .408 チェイタック弾などが登場し、大口径狙撃ライフル用としてもポピュラーな重機関銃用弾薬の.50BMG弾などの存在もあって、当初の強烈な印象はない。しかし、それらを差し置いて世界最長狙撃記録を樹立しており、今も命中精度の高さで存在感を発揮している*1。命中精度の高さから競技用, 狩猟用にもある程度普及し、民間では多少高価でも命中精度と威力を求める用途に使用される。
類似の弾薬として .300 ウィンチェスターマグナム弾 (.300 Win Magnum) があるが、こちらは北米がメインで用途も狩猟用が中心である。(但し米軍などに一部採用されている)
弾丸直径 | 弾丸全長 /薬莢全長 | リム形状 | 重量 | 銃口初速 | 初活力 | 有効射程 | 代表的な銃 |
8.58 mm(0.338 in) | 93.50 mm(3.681 in) /69.20 mm(2.724 in) | リムレス | 16.2 g | 2953 ft/s | 4840 ft-lbs (1000ヤード先:1365 ft-lbs) | 約 1,500 m | AI AWSM |
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