金属薬莢式の大砲から発展した低反動の砲（Gun）。
薬莢部にベント穴を設けて燃焼ガスを逃がし、さらに砲尾から噴きだすこと*1で、発砲時の強力な反動を著しく低減させる仕組みとしたもの。重くかさばる駐退器などの緩衝装置を省略でき、砲や砲架をあまり強固なものにする必要が無くなるため、強力な対物火器を軽量小型化することが可能となる。
ただし、無反動砲はその構造上、発生するエネルギーの半分を後方に逃すことにもなるため、通常の砲弾と同程度の装薬では威力不足となる欠点がある。このため、装薬を大幅に増すか、弾頭を対装甲榴弾とすることで補うのが普通である。
パンツァーファウストも無反動砲の一種と言える。砲身を用いず薬莢式砲弾に撃発装置をつけて直接発火する、といったイメージが近いだろう。
燃焼ガスを後方へ逃がすという構造は、バズーカ?やパンツァーシュレックなどのロケット弾発射筒（Launcher）と同様だが、無反動砲は（一部を除いて）弾体がロケットモーター*2のような推進器をもたない点が異なる。
RPG７やカールグスタフなどは、両者のハイブリッドに当たる。RPG7はロケット推進弾を発射するものの、弾体を発射筒から射出する機構はクルップ式と呼ばれる無反動砲と同様のものである。カールグスタフは使用可能な弾種のうち、対戦車榴弾（HEAT弾）のみが弾体にロケットモーターを有している。
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