コンペンセイター(銃口制退器) / Compensator

 銃身のマズル部分、またはその先端に取り付けて反動を軽減する装置。マズルブレーキとも呼ばれる。マズル付近に設けた複数のベント孔によって発射ガスをマズルとは異なる方向に噴出させることで、反動やマズルクライム(銃口の跳ね上がり)を抑えるものである
 その効果はコンペンセイターの設計自体にも弾薬の種類によっても大きく変わるが、概ね10〜50%程度の反動軽減効果が期待できるものとされている。一方その原理上、発射エネルギーの一部をロスすることから、コンペンセイターを設けるかどうかは銃の用途次第である。

 現在見られる小火器用のコンペンセイターは、発砲炎を抑制するフラッシュハイダー機能を兼ねているのが一般的である。
 コンペンセイター/フラッシュハイダーのようなベントを持たないシンプルなマズルでは発砲炎が球状に広がることから、突撃銃機関銃のような持続射撃を行う銃器では、フルオート射撃中は発砲炎によって照準が阻害されてしまう。そこで、複数のベントによって、発砲炎を星形にコントロールし目標を視認できるスリットを生じさせる。と、同時に各ベント孔を上部により多く設け、そのベクトルも斜め後方に指向することで、銃身の押さえつけと引っ張り作用を生じさせて、跳ね上がりと反動を一度に抑制する設計がポピュラーである。

 FPSゲームにおいてしばしば「コンペンセイター」や「マズルブレーキ」といった名称のアクセサリーが、別々のアイテムとして登場することがあるが、実際にはこれらの名称自体は特に機能的な差があるものではない。
  
 なおコンペンセイターが「マグナポート」と呼ばれることがあるが、これは厳密にはマグナポート・インターナショナル社の商品名である。


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ウィキペディア情報なので確認したいのですが、ウィキのコンペンセイターのページに「サプレッサーでも副次的に同様の効果がある」とあったのですが、本当ですか? -- 2017-03-19 (日) 14:05:42
  • 原理は異なりますが反動を軽減するという意味では似たような作用があります。
    コンペンセイターは記事の説明通り、発砲時に噴出するガスの方向を(主に上向きに)変えて反動と相殺するものです。サプレッサーの場合は単に発射ガス全体が減速されることで反動が減少します。
    トータルの作用で言うと似たようなものですが、サプレッサーは十分なサイズがないと効果がありませんので、競技用途では取り回しに悪影響があり使われることはまずありません。 -- 2017-03-19 (日) 17:08:18
  • ↑なるほど。ありがとうございました。 -- 2017-03-20 (月) 01:06:53
  • CQBでの問題とハイブリッドタイプの記述を追加。試験的にコメントページで話し合われた話題についてもコメントアウトで追加してみました。 -- 2019-02-18 (月) 12:47:23
  • コンペンセイターは跳ね上がりを抑えるもの、マズルブレーキは後退を抑制するものとして呼び分ける向きもあるが、機能的な差がないと言い切って良いものだろうか -- 2020-03-06 (金) 16:32:46
  • まぁ傾向としてあるのは確かですが、小火器用ではマズルクライムを抑えるとするマズルブレーキも、後退量を減らすとするコンペンセイターもありますからねぇ・・・そもそも後退量が減ってもマズルクライムが減らなかったら意味ありませんからね。ほぼ大半が分かれているのはどちらかというとデザインではないかと思います。コンペンセイターは上方穴か全方向穴、マズルブレーキは側面に大きい溝というのがほぼ定番ですね。そういう分け方の方がいいかなと思います。 -- 2020-03-06 (金) 20:08:14
  • とりあえず傾向や実例について軽く追記してみました。 -- 2020-03-06 (金) 20:31:58
  • 反動の方向を変えるのと反動の量を変えるのでは、撃ち心地としてはだいぶ変わるんじゃないの? -- 2021-05-29 (土) 05:54:36
  • 反動の方向を変えるのと反動の量を変えるのでは、撃ち心地としてはだいぶ変わるんじゃないの? -- 2021-05-29 (土) 05:54:44
  • 反動の方向を変えるのと反動の量を変えるのでは、撃ち心地としてはだいぶ変わるんじゃないの? -- 2021-05-29 (土) 05:54:49
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