ダムダム弾 /dumdum bullet

 イギリス軍が、当時植民地だったインド・コルカタ(カルカッタ)近郊のダムダム兵器工場で開発・生産した殺傷力の高い弾丸。広義のホローポイント?弾の一種である。逆に、ホローポイント弾を総合してダムダム弾と称する向きもあるが、これは厳密には間違い。
 弾頭に十字型の切れ込みがあり、目標に命中すると切れ込みに沿って弾頭が広がり、弾頭エネルギーを打ち込むと共に、分裂した弾丸が内部(内臓)を激しく傷つける。
 元はホローポイント弾と同じく狩猟用だったと言われるが、イギリス軍が陸戦に盛んに使用し、次第に他国も追従するようになった。しかし、対人用としては不必要な苦痛を与え残虐であるとして、1899年のダムダム弾禁止宣言、および1907年のハーグ陸戦条約で使用が事実上禁止された。
 ただし、古典的ダムダム弾こそ現在は生産・使用されていないものの、それに匹敵、あるいはそれ以上の効果のある弾丸は現在も使用されている。

 類似したものとしてはウィンチェスター社製の『ブラックタロン(Black Talon)』弾がある。これは弾頭にV字型の切れ込みがあり、命中するとこれが裂けて内臓を傷つける。さらにV字に裂けた弾頭はかぎ爪、もしくは釣り針の『返し』のように変形して、内部に食い込む。『タロン(猛禽類のかぎ爪)』の名もこれに由来している。こちらもあまりの残虐性から、一時販売停止に追い込まれていたと伝えられている。


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 2000年頃の漫画「マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ」でも切り込みを入れる描写ありました -- 2013-04-18 (木) 21:26:37
  • 十字の切れ込みは(恐ろしいことに)今でもメディアではたびたび見掛ける表現なので、『メディアではこのようにしてダムダム弾を作っているが実際には〜』といった形の記述もあった方がいいんじゃないでしょうか。
    しかし誰が最初にやったんだろうなぁこれ・・・ -- 2013-04-20 (土) 09:49:38
  • 今思い出したのですが、自分の記憶のみで不確かなのですが、ダムダム弾に十字の切込みがあることは小・中学校いずれかの社会の教科書にその記述があって初めて知った覚えがあります。それだけ当時は誤解が広かったということですかね。 -- 2013-04-20 (土) 09:53:19
  • どうでもいい話ですが、(構造には触れていないものの)夏目漱石の『吾輩は猫である』にダムダム弾という単語が出ていました。 -- 2013-04-20 (土) 11:06:22
  • タクシードライバーでもあったような・・ -- 2013-07-18 (木) 22:08:50
  • 突然アクセスが急増したようですが何があったのでしょうか? -- 2014-01-30 (木) 19:55:14
  • まとめサイトに載ったみたいね -- 2014-01-30 (木) 20:38:48
  • たしかに5.56mmNATOとかは高速で人体に命中すると弾丸が分離したり砕ける現象が起きるけど高速での突入という条件があるしそれでいて起こる確立もそれほど高くないので威力がダムダム弾に遅れを取らないというのは間違いです。 -- [[.]] 2015-01-28 (水) 14:27:57
  • 5.56みたいな小口径弾は破砕すると運動エネルギーが分散してしまうので変形してタンブリングするほうが効果的で実際そう言った構造になっています。ただ、現用軍用弾はアーマーを装着した相手を殺傷する前提ですのでその点を考慮した記述の方が適切ではないでしょうか? -- 三流陸曹? 2015-01-28 (水) 16:17:08
  • タンブリングとダムダム弾の変形とで純粋に威力を考えたらってことよな。 まぁ基本的にダムダム弾の方が殺傷能力は高いけど、速度や対象次第で変動してしまうことなんだよね。  -- 2015-01-28 (水) 23:23:58
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