イギリス軍が、当時植民地だったインド・コルカタ(カルカッタ)近郊のダムダム兵器工場で開発・生産した殺傷力の高い弾丸。広義のホローポイント?弾の一種である。逆に、ホローポイント弾を総合してダムダム弾と称する向きもあるが、これは厳密には間違い。
弾頭に十字型の切れ込みがあり、目標に命中すると切れ込みに沿って弾頭が広がり、弾頭エネルギーを打ち込むと共に、分裂した弾丸が内部(内臓)を激しく傷つける。
元はホローポイント弾と同じく狩猟用だったと言われるが、イギリス軍が陸戦に盛んに使用し、次第に他国も追従するようになった。しかし、対人用としては不必要な苦痛を与え残虐であるとして、1899年のダムダム弾禁止宣言、および1907年のハーグ陸戦条約で使用が事実上禁止された。
ただし、古典的ダムダム弾こそ現在は生産・使用されていないものの、それに匹敵、あるいはそれ以上の効果のある弾丸は現在も使用されている。
類似したものとしてはウィンチェスター社製の『ブラックタロン(Black Talon)』弾がある。これは弾頭にV字型の切れ込みがあり、命中するとこれが裂けて内臓を傷つける。さらにV字に裂けた弾頭はかぎ爪、もしくは釣り針の『返し』のように変形して、内部に食い込む。『タロン(猛禽類のかぎ爪)』の名もこれに由来している。こちらもあまりの残虐性から、一時販売停止に追い込まれていたと伝えられている。
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