フルオートマチックトリガーによらず、立て続けにトリガーを引いて速射を行うこと。「ラピッド(rapid)」とは、高速・急速・迅速を意味する。
また、ラピッドファイアの名を冠した射撃競技は、「ラピッドファイアーピストル競技」と呼ばれ、オリンピック種目にもなっている。
選手一名が、25m先に横に並んだ五つの円形状の標的を順に狙い撃ち、規定の競技時間内で得られる得点の高さを競う。そのため、使用する銃は5連発のセミオート式である。
通常は、指の力だけで連続して素早くトリガーを引く事で行うが、自動式の銃の場合、銃本体を添え手だけで腰だめで構え、利き手は人差し指だけをトリガーの前に据え、発砲の反動による前後動を利用して、トリガーを立て続けに引いて速射する、という方法もある。この方法は俗に「バンプファイア」(Bump fire)という名称で、プリンキングの一種として認知されている。熟練者が行えば、フルオートに勝るとも劣らない連射を行うことも出来る(ただし腰だめで構えているため、命中精度は期待出来ない)。
また、この技術を応用した製品として、アメリカで開発された「スライドファイアストック」がある*1。
これは、ストックとグリップが一体化したようなパーツであり、パーツを装着した銃本体はパーツと直に接触していない。銃本体のトリガーではなく、パーツ側にある、トリガーに沿うようにつけられた板状のトリガーガードに指をかけ、銃本体を前方に軽く押すとトリガーが引かれ弾が発射される。すると、発砲のリコイルで銃本体のみが後退する。そのまま銃本体を前に押し続けるとこの運動が繰り返され、バンプファイアを再現する仕組みとなっている。これを装着すれば、それがセミオートライフルであっても、かつ射手がバンプファイアの技術を体得していなくとも、簡単に擬似フルオート連射を行う事が出来る。また、前に押す力を加減することで、ファイアレートをコントロールすることもできる。ちなみに、スライドに固定スイッチが付いているものは、ストックを固定してセミオートに切り替えることが可能。
州法でフルオート銃器の所持が禁止されている州においても(今のところ)合法のようである。
ちなみに日本の東京マルイが、自社製トイガンの「トリガーを引ききったまま、フォアグリップまたはレバーを前後に動かして、弾を連続的に発射する」という操作(オプション)をラピッドファイア機構と解説しているが、これは初期のポンプアクション散弾銃で見られたスラムファイアを利用した速射機構を擬似的に再現したものである。
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