*突撃銃 / Assault rifle [#c3122eec]

 主に従来のものよりも小型の弾薬を用い、[[単射>セミオート]]と[[連射>フルオート]]が可能で取り回しのよい[[自動小銃]]の総称。
 第一次世界大戦での戦訓から、それまでの主力歩兵銃では[[小銃]]弾の長射程(最大射程1000m)を存分に使う機会が少なく、大抵の場合その半分以下の距離で交戦が行われる事が判明した。そこで弾を小型化させ射程を犠牲にする代わりに連射制御性と携行弾数を高めた物が突撃銃である。

 突撃銃のコンセプトを実現した最初のライフルは、20世紀初頭(1900年頃)のイタリア製[[Cei-Rigottiライフル>自動小銃/イタリア王国 チェイリゴッティ]]と言われている。

 その後、[[ルイス機関銃>BSA ルイスMkI]]の設計者アイザック・ルイス氏が、[[BAR>US M1918]]の競作として1918年頃に「アサルトフェイズ・ライフル」と名付けたフルオートマチック自動小銃を設計・試作している。その想定された運用方法は、従来の銃とは異なり「撃ちながら移動できる」ものであった。
 また、当時アメリカで作られた[[ウィンチェスターM1907自動小銃>自動小銃/ウィンチェスター M1907]]は、[[カービン>騎兵銃]]サイズで.351WSL((Winchester Self Loading))という独自の「中間弾」と呼ばれる、従来のライフル弾よりもエネルギーが小さく低反動だが、拳銃弾よりも強力という弾薬が用いられていた。当初、フランス陸軍がこの銃を航空偵察員用の武装として購入していたが、[[機関銃]]が航空機に装備されるようになって不要となっていた((航空機による攻撃は、ペイロードが非常に限られていたことから、初期には[[拳銃]]などの随伴搭乗者の手持ち火器や手投げによる銃撃や爆撃が行われていた。))。しかし第一次世界大戦中、威力と軽便さから接近戦向きの銃として見出され、1917年にはフルオート仕様のM1907/17が作られた。この銃は標準の5,10連を拡張した15,20連マガジンと専用[[銃剣]]と共にフランスに輸出され、多数投入された。
 このM1907の成功を受け、第一次大戦が終了すると、M1907/17の使用国フランス、設計国のアメリカを主として、世界各国で減装弾を使用した連射の容易なライフルの設計が開始される。
 フランスでは.351WSLをベースにした8mm×35R弾を使用するリベロリスM1918、アメリカでは同じく.351WSLをベースにした.345WMR((Winchester Machine Rifle))を使用するウィンチェスター-バートン・マシンライフルが作られた。1920年代にはスイス、1930年代にはデンマークとドイツも研究を開始したが、これらのどの国でも軍への採用には至らなかった。
 この間、第一次大戦後に唯一実戦で使用されたのは、帝政ロシア時代に開発され、[[ソビエト連邦>USSR]]軍に採用されたフェデロフM1916自動小銃である。この銃は独自開発弾を用いていた他国の試作銃と異なり、既存の小口径低反動弾である6.5mm×50SR弾を採用していた。これは日露戦争時に鹵獲された日本の[[三十年式歩兵銃>小銃/東京砲兵工廠 三十年式歩兵銃]]の三十年式実包であった。

 第二次世界大戦の開始される頃には、各国では軍の方針から結局、フルサイズ・通常装薬の弾薬を用いる銃が制式となっていったが、ロシアとドイツでは技術者達が設計と改良を重ねて行った。ロシアではその後、シモノフM1936などが開発されたがこれも信頼性などを理由に広く普及することは無かった。
 一方ドイツでは1940年代、遂に性能の高い専用の短小ライフル弾を開発し、アドルフ・ヒトラー自身によって「SturmGewehr(突撃銃)」と名付けられた[[StG 44>ハーネル Stg44]]が戦場に投入された((当初は、複数種の弾薬と歩兵銃の混在による現場での混乱を懸念して、開発の停止を指示するほどの難色を示していたものの、実銃のデモを見て、方針を転換。これを使用する銃は戦場の状況を一変させるというプロパガンダも兼ねて、直接命名した。))。この銃の威力・射程・軽便性を兼ね備えた運用は他国に大きな衝撃を与え、戦後世界各国はこれに類似した小火器の開発を急速に推進する事となった。
 第二次世界大戦後に開発されたフルオート可能な自動小銃では、スイスの[[Stgw.57(SIG510)>シグ SG510]]とオーストリアの[[Stgw.58(FN FAL)>FN FAL]]が最初に「Sturmgewehr」の名称を引き継いで採用された。ロシアの[[AK-47>USSR AK47]]、チェコの[[Vz.58>CZE Vz58]]などは従来の[[短機関銃]]同様に単に「Avtomat/Samopal」(自動火器)と呼ばれたのみで、まだ「突撃銃(アサルトライフル)」という名称は世界的に普及していなかった。

 「アサルトライフル」という名称は、ベトナム戦争(1955-1975)を通して大きく普及した。当時北ベトナム軍が用いたAK47は小型軽量かつ連射性に優れており、大型で重く、反動が強いアメリカ軍の[[M14>スプリングフィールド M14]]に対して、弾幕と機動力で大きな被害を与えた。アメリカ軍はAK47を強襲に適した「アサルトライフル」と呼び、これに対抗する為の自国の「アサルトライフル」を必要とした。そして1960年代、[[M16>コルト AR15]]が採用され、実戦に投入された。M16は当初、現場から多くの不評を招いたものの改修を重ねながら確かな戦果を挙げ、以後NATO各国もM16のような「アサルトライフル」の開発と採用に注力して行く。2000年代以降も、これらの流れを汲んだアサルトライフルや弾薬が戦場で主流である。日本語における「突撃銃」の呼称は、「アサルトライフル」に対して防衛省が用いた訳語に由来する。
 
 21世紀以降もアサルトライフルの研究・開発は進められており、[[ブルパップ]]型([[FAMAS>GIAT ファマス]]等)のような従来と異なるレイアウトのライフルも実用化されている。1990年代以降は、兵士間情報共有機器や火器管制装置を組み込んだ「次世代小銃」の研究も各国で行われている。しかし、2015年時点でもこれらの機器や機能は未だ実用的な段階には至っておらず、コンセプトモデルの域を出ないか、計画そのものが中止されている状態である。代表的なものには、機器との併用を想定した[[F2000>FN F2000]]や[[ARX160>ベレッタ ARX160]]、銃自体が機能と統合された[[XM29>HK XM29]]([[OICW]])等がある。
 発射する弾薬も試行錯誤が重ねられ、過去には、実用化には至らなかったが、薬莢の要らないケースレス弾([[G11>HK G11]])、『矢』のような形で高速なフレシェット弾([[ACR>ステアー ACR]])を用いるアサルトライフルの研究開発が行われた。[[湾岸戦争]]以降は、遠距離戦の増加から突撃銃にも長射程が求められ、既存の弾薬を改良したマッチ仕様弾薬や、NATO標準の5.56mmx45と7.62mmx51の中間である「中口径弾薬」の開発が進められている。

 

#ref(rifle2.jpg,center,nolink,各部品名称図)

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