*アーマライト AR-17 / Armalite AR-17 【散弾銃】
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*アーマライト AR-17 / Armalite AR-17 【散弾銃】 [#sc2531f3]
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|銃身長|全長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|~24in|1143mm|2.5kg|[[12ゲージ (2-3/4in シェル)>ゲージ]]|1+1|アメリカ|

 AR-17は、アメリカのアーマライト社が1964〜1965年に製造していた、[[セミオート]]式の[[散弾銃]]である。ベースになっているのは、同社が1955年に開発したセミオート式の散弾銃「AR-9」。AR-9は試作品止まりだったが、アルミ合金製のバレル/レシーバーや[[ナイロン>ポリマーフレーム]]製[[ストック]]といった特徴はAR-17に受け継がれている。
 AR-17は、アメリカのアーマライト社が1964〜1965年に製造していた、[[セミオート]]式の[[散弾銃]]である。ベースになっているのは、同社が1955年に開発したセミオート式の散弾銃「AR-9」。AR-9は試作品止まりだったが、アルミ合金製のバレル/レシーバーや[[ナイロン>ポリマーフレーム]]製[[ストック>銃床]]といった特徴はAR-17に受け継がれている。
 [[二連式散弾銃]]が主流であるクレー射撃やトラップ競技のプレーヤーに売り込む目的で開発され、そのためセミオート式ながらあえて2発という非常に少ない装弾数で設計された。同じ性能でバレル1本ならその分圧倒的に軽い、という寸法である。ターゲット層の高級志向に合わせて、バレルやレシーバーにはゴールドのアルマイト処理が施されているので、''“ゴールデンガン”''とも呼ばれた。

 作動方式は[[ショートリコイル]]。薬室閉鎖は強固なロータリーボルト方式を採用しており、ボルトフェイスも[[AR-10>アーマライト AR10]]や[[AR-15>コルト AR15]]に似た歯車型である。この設計のおかげで、スチール製に代わって軽量なアルミ合金製のレシーバーが使えるようになっている。また、木製に見える[[フォアエンド>ハンドガード]]とバットストックはプラスチック製部品なので、銃全体の大幅な軽量化が図られている。軽量なため反動の強さが危惧されたが、ショートリコイル式の設計は反動軽減効果は高く、また反動は真っ直ぐに受け止められるよう、バレルが通常よりもグリップ側に近いやや低い位置にある設計となっている。こうした設計上の特性により、反動はむしろ非常に制御しやすいと評価された。
 レシーバーには[[エングレーブ]]加工。バレル先端にはチョークを装着するためのネジが切られており、フル/モデ/インプシリンダーの3種類のものに簡単に交換することが可能である。モンテカルロタイプのバットストックには、ラバー製のリコイルパッドが装着されている。

 しかしながら幾つかの問題があり、この銃が商業的に成功することはなかった。1つは何と言ってもその弾の保持方法である。本銃は2発しかない装弾数のために内部機構は極限まで簡素化されており、一般的なチューブラーマガジンすら持っていない。そのため、初弾射撃後に装填される次弾は、一般的な装填口の中に''左手でフタをして保持する''という何とも使いづらいものだった。
 もう1つは、使用できる弾種の問題である。ショートリコイル方式は大きく反動を軽減するが、それはショートリコイル方式が動作に大きなエネルギーを必要とするということでもあった。本銃が安定した動作をするためには、射撃競技に用いられる一般的な2ドラムの装薬よりも遥かに多い3ドラムの装薬を必要とし、これは経済的でないばかりでなく射的競技のためにはやや過剰な威力でもあった。また逆に、簡素化された機構の関係でより強力な3インチシェルを装填する事は不可能だったため、狩猟用としても汎用性で見劣りするという問題もあった。
 一部には「12ゲージショットガンでありながら重量や操作性は.410のように軽い」と評価されたものの、市場の反響は非常に乏しく、約1200挺が生産されたのみであった。ボックスマガジンモデルなども存在したようだが詳細は不明である。同時代にはブローニング・ダブルオートといった同コンセプトの商品も登場していたが、こちらも非常に売れ行きは厳しかったようだ。
 アメリカにおいてセミオート散弾銃を用いる「3-Gun」と呼ばれる射的競技が流行する21世紀現在、他のアーマライト製品の例に漏れず些か登場時期が早すぎた感が否めない製品である。


|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[ソードアート・オンラインII>ソードアート・オンライン]]|−|−|項目参照|
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CENTER:このページの画像は[[アーマライト>https://armalite.com/]]社から転載しています。
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