US M224 60mm 軽量中隊迫撃砲システム / US M224 60mm LWCMS 【迫撃砲】

M224通常モード
各ユニット重量
M225砲身アセンブリM170二脚アセンブリM64A1照準器M7底板M8底板
8.16kg6.89kg1.13kg6.53kg1.63kg


射程 (最小/最大)
M888榴弾M720榴弾M49A1榴弾M302A1白燐弾M83A3照明弾M766演習弾
70m/3,490m70m/3,490m44m/1,930m33m/1,630m725m/951m56m/538m

 M224は近接支援用の軽量な中隊迫撃砲である。通常は全備重量が21.0kgであるが、軽量なM8底板とM225砲身のみを組み合わせ、全備重量8.16kgの非常に軽量なハンドヘルド迫撃砲として運用可能である。またファイア・セレクターによって、一般的な砲口落下か砲身下部のトリガーによるいずれかの撃発方法を選択できる特徴をもつ。

 M224を構成するM225砲身は、片方をベース・キャップにて閉塞された、砲身長1,000mmのスムース・ボア前装砲で、ベース・キャップ付近の下部には、冷却用のフィンがモールドされ、キャリングハンドルを兼ねたトリガー・システムが付属する。トリガー・システムは、トリガー、ファイア・セレクター、ハンドヘルド迫撃砲として運用する際の照準照尺よりなる。
 M224で使用される2種の底板は、いずれもアルミニウム鍛造の一体成形で作られており、M7底板は円形、軽量なM8底板は長方形となっている。

M224ハンドヘルド・モード

 M7底板はボールソケットによって、6,400ミル全周に砲を指向可能で、裏側には固定のために4枚の鋤がモールドされている。一方、M8底板は二脚を用いず、砲身のみと組み合わされ、M224を超軽量迫撃砲とし、攻勢的な作戦で火力支援するのに適している。左右800ミル、計1,600ミルの範囲で砲を指向でき、ロッキング・アームにて砲身と連結されている。
 M170二脚は、スチール製の折り畳み可能な二脚で、ショック・アブソーバが付属しており、上部の左右転輪と下部の上下クランクにて砲の姿勢を調整できる。

 砲弾には、M224用に作られた長射程の砲弾セットであるスタンダードAと、旧式のM2およびM19 60mm迫撃砲用の砲弾であった、射程の短いスタンダードB*1とよばれる砲弾セットが用意されている。砲弾はNATOカラーコードにより、榴弾にはオリーブ、白燐弾にはライトグリーン、照明弾にはホワイト、演習弾にはブルーのカラーリングが施されている。ただし、米軍独自のカラーコードでは、白燐弾はグレー色で、照明弾は無塗装となっている。
 信管にはM720榴弾用にマルチオプションのM734信管と、M888榴弾用のポイント・デトネーティングのM935信管が用意されている。
 M734信管は、地表より約1〜4mで爆発する近接炸裂、地表より0〜1mで爆発する近地表炸裂、着発、弾着後0.5秒で爆発する遅延の、4つのモードを選択できる。モードの選択には工具を必要とせず、ダイヤルをひねるだけでモードを選択でき、発砲まで何度もモードを変更できる。また、従来の迫撃砲弾用信管と違い、オペレーション・タイムを節約するため、安全ピンや安全ワイヤは付属していない。砲弾尖端内部に信管と連動したタービンがあり、約21.4m/secの風を距離100mにおいて受けると安全装置が外れる仕組みで、発砲と連動した安全なアーミングができるようになっている。
 M935信管は、瞬発か遅延をダイヤルにてモード選択でき、発砲前には安全ワイヤを引き抜いて使用する。

 米軍では、M224は2個分隊からなる軽迫撃砲班によって運用される。班は、班長、分隊長、砲手2名と弾薬運搬手2名の計6名からなる。班長と分隊長はライフルを、砲手と弾薬運搬手はハンドガンを自衛火器として装備している。
 各分隊はM224システムを構成する一式を装備し、その他評定用などに双眼鏡やM2コンパス、迫用弾道計算機、プロット・ボード、連絡用にTA-1電話などを有する。班長はさらにボア・サイトや無線機を装備する。

 攻撃や遭遇戦においては、重いM7底板は段列などに残地され*2、5kg近くも軽いM8底板が使用される。M8底板に換装すれば、分隊はさらに3発多くの砲弾を携行できるようになる。また分隊がライフル分隊に戦闘哨戒などのために配属された際も、軽便なM8底板にて運用される。
 実戦でのM224はというと、直接的な火力支援よりも、煙幕の展張や照明弾の打ち上げによるサポートの方が、ライフル分隊から重宝されている。 

 ちなみにやろうと思えば、スプリガンの主人公のように、手で持って立射ができる*3。しかし江戸期の大筒のごとく、大仰に反動を逃がさねばならず、危険であるし、とても実用性があるとは思われない。

登場作品ジャンル使用者備考
スプリガン項目参照

このページの画像はアメリカ陸軍およびアメリカ海兵隊から転載しています。
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*1 M83照明弾、M50訓練弾、M302白燐弾、M49榴弾、M69演習弾
*2 M7底板は後にまた使用部隊へと送致される。
*3 youtubeより立射動画>http://www.youtube.com/watch?v=gdbMpLHE8ww

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