#author("2021-05-11T06:11:28+09:00","default:user","user")
*300 BLK(.300 AAC Blackout)弾 [#obaa3603]
 2010年にAACが[[レミントン・ディフェンス>レミントン]]社の協力のもとで開発した弾薬。メートル表記では7.62mm×35。本弾薬は[[AR15>コルト AR15]]プラットフォームにおいて[[サイレンサー>減音器]]を使用しながら、高威力・高貫通力・静音性を兼ね備える弾薬としてAAC社の[[ハニーバジャー>自動小銃/AAC ハニーバジャー]]とともに開発された。
 亜音速弾と超音速弾が開発されており、前者はサイレンサーの使用時に非常に発射音が静かながら超音速含む拳銃弾よりも高エネルギーかつ[[ボディアーマー]]に対抗できる高貫通力を持つ((ただし亜音速220gr仕様の銃口エネルギーは600J台とライフル弾としては低め。))。後者は[[AK47>USSR AK47]]で使われる[[7.62mm×39弾>7.62mm x39弾]]と同等かそれ以上の弾道特性を持っている。
 .300 BLK弾の薬莢の[[リム]]径は[[5.56mm×45弾>5.56mm x45弾]]と同寸であるため、ボルトは5.56mm弾用のものがそのまま使用できる。テーパーが強く同じマガジンを使えない7.62mmx39弾、使えても装弾数が減ってしまう6.8mmSPC等の従来の中口径弾薬と違い、AR15互換の5.56mm弾用[[マガジン]]をそのままの装弾数で使用可能と、高い汎用性を持つ。
 また短銃身で使用しても銃口エネルギーが低くならず、9インチバレルから超音速の125grの弾を発射した場合でも14.5インチのM855と同じ銃口エネルギーを持つ。同条件で弾が440mまで達した場合300BLKが僅かにM855をエネルギーで上回っているように、5.56mm弾と比べ遠距離においてエネルギーが失われにくい。弾頭が重いので横風に対しても有利となる。一方で重弾頭故に低伸性は劣っている。この特性から本弾薬を使う[[シグザウエルMCX ラトラー>シグザウエル MCX]]はライフルながらわずか4.5インチという短銃身を実現している。

 元々は軍、とりわけ特殊部隊を意識した弾薬であるが、民間においてもAR15プラットフォームから大幅な改造をすることなく7.62mmx39並みのパワーを出せるために人気がある。

 300BLK弾と5.56mm弾とで高い互換性があるために、それぞれ違う弾の銃に装填し暴発させてしまう事故も発生している。この危険を避けるため、300BLK用と分かりやすく色分けや刻印がなされたマガジンが各社から販売されている。同時に、本来5.56mm用であるマガジンを300BLKに特化させ作動安定性を高める設計を行っているものもある。

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