#author("2019-11-19T23:16:07+09:00","default:user","user")
#author("2023-07-08T03:59:30+09:00","default:user","user")
*防弾ガラス / Bulletproof glass [#y3ac6272]
//コメントアウト内容に対して際限なく的外れな指摘が行われるため一旦削除。
//(ログに過去分が存在するため参照の必要な際はそちらをご参照願います)

 二十世紀後半に開発された、ガラスとラミネート層と呼ばれるプラスチックの中間膜を何層にも重ねることで合わせガラスにし、着弾時のエネルギーを吸収することで防弾性能を高めた物。
//二十世紀後半に開発された、ガラスとラミネート層と呼ばれるプラスチックの中間膜を何層にも重ねることで合わせガラスにし、着弾時のエネルギーを吸収することで防弾性能を高めた物。
//↑防弾ガラスは積層構造のものに限らないため一旦コメントアウトいたします。(最初に開発されたものが積層タイプなのは正しいので適当に改変すれば使えそうですが)。

 各種の戦闘車両や軍用機、VIP用車両、保安レベルの高い施設の窓などに使われる。
 防弾を目的としたガラス状製品の総称。より厳密に抗弾(Bullet-resistant)ガラスとも呼ばれる。
 一般的に「ガラス」と呼ばれるが、現代では大半は透明度の高い[[樹脂>ポリマーフレーム]]などと組み合わされた合板状の製品である。
 また[[ボディアーマー]]などと異なり技術的には一般的な高耐久性ガラス製品の延長にあるものであるため、
 防弾レベルの性能ではないが、防犯ガラスなど同様の技術で製造されている一般のガラス製品も多い。
 
 銃撃を防止し得る強度の窓の需要は防弾ガラスの発明以前から非常に高かったが、技術的な問題で長らく通常のガラスを厚くする以外の手法がなく、
 禁酒法時代に荒稼ぎし高価な[[トンプソン短機関銃>短機関銃/オートオードナンス トンプソン]]を大量購入したアル・カポネなども
 1928年に製造した自家用の「防弾キャデラック」には1インチ(2.54cm)の窓ガラスをはめ込んだのみであった。

 それぞれの製品により多少の差はあれど、手榴弾や砲弾の破片、小口径弾に耐えるにも50mm程度の厚さが必要であり、防弾車両のドアが分厚い要因となっている。
 防弾ガラスの用途上、被弾で亀裂が生じ視界を妨げてしまうと使用に耐えない為、防弾性能が第一とはいえ亀裂の広がり難さも要求される他、戦闘車両の視察孔に用いられる防弾ガラスは車内から交換できるようになっている。
 また主な材料がガラスであるために重く、重量の制約が厳しい航空機では操縦席や銃座の正面など一部分にしか装備されない事が殆どである。
//アメリカでは抗弾性に対する安全基準が様々な所で決められており、そのうちの一つであるアンダーライターズ研究所が定めたUL規格では、最も強力なレベル4で030-06ライフルの銃弾も防ぐことが可能である。
//↑内容が防弾ベストのレベル付けになっていますし表記も無茶苦茶ですのですいませんがちゃんと推敲していただけますか?こうも毎回支離滅裂な内容を書かれると正直デマと大して変わりません。
 初期の「防弾ガラス」は初期の積層ガラスそのものであり、フランスの科学者エドゥアール・ベネディクトゥスが1903年偶然発見((樹脂膜が張ったガラスフラスコを誤って落としたところ、それが粉々に割れなかった所から発見された))し1909年に特許が取得された。
 1936年にアメリカのピッツバーグ板ガラス社(現PPGインダストリーズ)で量産が開始されると即座に警察車両へと導入され、以後銀行などの重要施設やVIP用車両、軍用の用途でも普及していった。

 種類としてはラミネートガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、それらの複合系であるLP(ラミネーテッドポリカーボネート)やGCP(グラスクラッド・ポリカーボネート)などがあり、特性やコストなどによって使い分けられる。
 各社独自の積層構造によって高視認性・耐弾性・軽量化などを様々なコストで実現する製品が存在しており、
 銃火器関連の分野では比較的「定番」が存在しないタイプの製品であるといえる。

 防弾ガラス規格に関してもアメリカのUL 752((Underwriters Laboratories))やHPホワイトTP 0500((Test Procedure))、ASTM-F 1233((American Society for Testing and Materials、米国試験材料協会))、ヨーロッパ/イギリスのEN/BS EN 1063((なおこの規格を使用する場合はほぼ窓枠の防弾規格EN/BS EN1522,1523も併用される。レベル設定自体は同じである))など多様な規格が存在する。
 多くの規格は防弾ベスト向けのNIJなどと異なり、変形に弱いガラスに対する規格のため、大規模な変形を瞬時に生じさせ得る大質量[[スラッグ弾>散弾銃の弾薬]]を発射可能な[[散弾銃]]に対して特別枠が存在する点が特徴である。

 下記に防弾ガラス規格の一例を示す((世界各国の主要な防弾規格は[[こちらのページ>http://www.nationwidestructures.com/ballistic-key.html]]等を参照。))。
 なおいずれの規格のレベルにおいても''射撃後如何なる剥離も生じない''という状態でのみ認定されるものとなっているため、単純な防弾機能の限界はそれ以上となる。

|>|>|>|>|>|>|LEFT:UL752(アメリカ)&br;いずれも試験材料は12x12インチ(30.5x30.5cm)。&br;なお弾種表現は下記の通り。&br;・LC…レッドコア&br;・JL…ジャケテッドレッド&br;・SP…[[ソフトポイント>ダムダム弾]]&br;・SWD…セミワッドカッター&br;・GS…ガスチェック((ソフトポイント弾において、弾丸の膨張によるバレル内での抵抗を減らすために刻まれる横方向の溝。))|
|~レベル|~対象弾種|~弾頭重量|~最大初速|~射撃数|~発射距離|~試験詳細|
|~1|[[9mm>9mmパラベラム弾]] [[FMJ>フルメタルジャケット弾]] LC|8g|394m/s|3|4.6m|・4インチ三角形内に3発&br;・1.75インチ以内で2発&br;・枠なしで端に1発|
|~2|[[.357マグナム>口径#PistolAmmo]] JL SP|10g|419m/s|~|~|~|
|~3|[[.44Magnum>口径#PistolAmmo]] SWD GS|15.6g|452m/s|~|~|~|
|~4|[[.30-06>口径]] LC SP|11.7g|851m/s|1|~|・中央に1発&br;・枠なしで端に一発|
|~5|[[7.62mmx51>7.62mm×51弾]]LC FMJ|9.7g|922m/s|~|~|~|
|~6|9mm FMJ LC|8g|469m/s|5|~|・4.5インチ四方内に5発|
|~7|[[5.56x45mm>5.56mm x45弾]] FMJ LC|3.5g|1031m/s|~|~|~|
|~8|7.62mm FMJ LC|9.7g|925m/s|~|~|~|
|~9|.30-06 M2 [[AP>アーマーピアシング弾]]|10.8g|910m/s|1|~|・中央に1発&br;・枠なしで端に一発|
|~10|.50BMG M2 FMJ LC|45.9g|942m/s|~|~|・中央に1発|
|~Shotgun|[[12ゲージ ライフルド・レッドスラッグ>散弾銃の弾薬]]|28.3g|531m/s|3|~|・4インチ三角形内に3発|
|~Shotgun|[[12ゲージ 00バックショット>散弾銃の弾薬]]|42g(総重量)|402m/s|~|~|~|
|>|>|>|>|>|>|LEFT:&br;EN/BS EN 1063&br;いずれも試験材料は50x50cm。&br;なお弾種表現は下記の通り。&br;・RNL…ラウンドノーズ・レッド、球形弾頭&br;・FSJ…フルシンセティックジャケット、樹脂被覆弾頭&br;・FCJ…フルコッパージャケット、銅被覆弾頭&br;・RNSC…ラウンドノーズ・ソフトコア、球形弾頭&br;・CNSC…コニカルノーズ・ソフトコア、尖頭形弾頭&br;・FNSC…フラットノーズ・ソフトコア、平坦弾頭(アメリカ規格のセミワッドカッターに相当)&br;・SHC…スチールハードコア|
|~レベル|~対象弾種|~弾頭重量|~最大初速|~射撃数|~発射距離|~試験詳細|
|~BR1|.22LR RNL|2.6g|370m/s|3|5m|・120mm±10mm三角形内に3発|
|~BR2|9 mm Luger FSJ-RNSC|8g|410m/s|~|~|~|
|~BR3|.357 Magnum FSJ-CNSC|10.2g|440m/s|~|~|~|
|~BR4|.44 Magnum FCJ-FNSC|15.6g|450m/s|~|~|~|
|~BR5|[[5.56x45mm NATO SS109>グリーンチップ]]|4.0g|960m/s|~|10m|~|
|~BR6|7.62x51mm NATO M80 FSJ|9.5g|840m/s|~|~|~|
|~BR7|7.62x51mm NATO AP SHC|9.8g|830m/s|~|~|~|
|~SG1|[[12ゲージ&br;ブレネケ型レッドスラッグ>散弾銃の弾薬]]|30.1g|440m/s|1|~|・中央に1発|
|~SG2|~|~|~|3|~|・120mm±10mm三角形内に3発|


//各種の戦闘車両や軍用機、VIP用車両、保安レベルの高い施設の窓などに使われる。
//↑文脈上重複があるため一旦コメントアウトいたします。

 &br;
 戦闘車両の視察孔に用いられる防弾ガラスは車内から交換できるようになっているものもある。

 なお、弾を受け止めた際に出来るひび割れについては現代の技術においても完全には防ぐことは出来ない((作り方次第ではひび割れを小さくすることは可能だが、基本的に着弾を跳ね返すのではなく受け止めて防ぐので無傷というのは不可能))。これについては理解されていないことがあり、弾を受け止めてヒビだらけになったのを見て「防弾ガラスなのに割れた」と勘違いされたり、メディア作品でも撃たれたにも関わらず傷一つ無かったりすることがある。

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