*突撃銃[Assult Rifle]/自動小銃[???] [#pa129231]
 ライフル弾が連続発射可能な銃の総称で、小銃に弾丸発射時のガス圧などを応用して次弾を自動的に装填する機構をもたせた物。&br;
 1940年代に開発されたドイツの[[Stg44>ハーネル Stg44]]やアメリカの[[M1ガーランド>スプリングフィールド M1]]の登場を皮切りに、世界各国が歩兵の主力小火器を小銃から突撃銃へと変更し始め、現在は戦場の主役として使われている。登場当初は7mm口径の高威力口径弾(自動小銃)が主流だったが、1960〜1970年代にかけて5mm口径の高速小口径弾(突撃銃)へと移り変わり、最近ではブルパップ型や薬莢の要らないケースレス弾、歩兵同士の情報データリンク機能を持つ銃の研究開発が進められている。
#author("2023-05-26T18:56:21+09:00","default:user","user")
*自動小銃 / Semi-(or Fully-)Automatic rifle [#q092d205]
 [[小銃]]のうち、弾丸発射時のエネルギーを利用して次弾を自動装填する機構([[セルフローディング or セミオートマチック>セミオート]])、または、それに加えて自動で撃発を行う機構([[フルオートマチック>フルオート]])を有する銃の総称。[[M14>スプリングフィールド M14]]、[[G3>HK G3]]、[[FAL>FN FAL]]などが代表格である。[[突撃銃]]もこの分類に含まれる。

 なお突撃銃/自動小銃と軽機関銃は共に連続発射が可能な銃だが、区別の指針として突撃銃/自動小銃が『連射“も”できる銃』に対して、軽機関銃は『連射が前提の銃』である事。突撃銃/自動小銃は携帯性の高さを重視し銃身の厚みが無く交換も困難なため、基本的に長時間の連続発射には向いていない。
 アイデアとしては1870年頃から各国で各種の自動機構が発明され特許となっていったが、当時の装薬は黒色火薬ないし褐色火薬を用いていたため、燃え滓が自動機構を汚染して動作を阻害してしまう問題があり、実用化には至らなかった。
 1890年頃、燃え滓の少ない無煙火薬が普及し始めたことで、マドセン・ラスムッセン自動小銃やフライバーグ・エルマン自動小銃といった、実用に耐えうる自動装填機構を持った自動小銃が誕生していった。

 自動小銃が初めて実戦投入された事例の一つとしては、メキシコで開発されてスイスの[[シグ]]社が製造した[[モンドラゴンM1908>自動小銃/シグ モンドラゴンM1908]]がメキシコ革命で投入されている。
 その後に勃発した第一次世界大戦では、ドイツ軍がモンドラゴンM1908を、フランス軍がRSC Mle1917を投入したため、交戦した双方の陣営が制式小銃として自動小銃を投入した初の戦争となった((といっても投入された小銃全体の数に比べれば極めて少ない数量であり、ドイツ軍のモンドラゴンM1908に至っては航空機搭乗員の空戦用火器として配備されており、陸戦には殆ど関与していない。))。

 旧来の手動連発式小銃に替わる歩兵銃として実戦投入され始めたのは第二次世界大戦からであったが、開戦当初においては最も自動小銃の配備に熱心だったソ連では小銃生産数のおよそ6割が[[SVT>自動小銃/USSR SVT]]であったものの、工廠の疎開に伴って1941年11月以降は生産数の殆どが[[モシンナガン>小銃/ロシア帝国 モシンナガンM1891]]へと転換されてしまった。一方、工廠に戦火が及ぶリスクの乏しかったアメリカでは、開戦まで低調な生産ペースだった[[スプリングフィールド M1]]の増産が始まり、更には後方の兵員向けに[[ウィンチェスター M1]]が開発され、旧来の[[M1917 エンフィールド>小銃/US M1917 エンフィールド]]や[[スプリングフィールド M1903>小銃/スプリングフィールド M1903]]を置き換えていった。

 こうして紆余曲折ありつつも現代戦における歩兵の主力火器となった自動小銃だったが、しかし、従来の小銃弾の装薬量では一発ごとの反動が大きいため、フルオート射撃の反動制御が非常に困難だった。この問題を解決するため、ひと回り小さな弾薬を用いた[[突撃銃]]が1950〜60年代頃から主流となってゆく。
 一方、たとえ[[セミオート]]であっても、従来の[[ボルトアクション]]小銃と比べて素早い連射が可能なことから、1970年代からは[[狙撃銃]]として改修、或いは新規に設計されたモデルが登場している。しかし、自動式狙撃銃は一般に、高精度かつ複雑な機構ゆえ非常に高コストであるために、ボルトアクションの狙撃銃とは、現在も需要を二分している。[[PSG1>HK PSG1]]、[[WA2000>ワルサー WA2000]]などが知られている。

 なお、英語圏での「セミオートマチックライフル(Semi-automatic rifle)」と「オートマチックライフル(Automatic rifle)」という語では、それぞれが差す銃器のカテゴリーが微妙に異なってくる。第二次世界大戦以前から普及した[[ブローニング・オートマチックライフル>US M1918]]を始め、フルオート機能をもつライフル銃を差す「オートマチックライフル」は、[[軽機関銃]]に準ずる「[[支援用自動火器>SAW]]」というニュアンスを含んでいるためだ。

 アメリカ海兵隊が行った、新しい分隊支援火器プロジェクトが、「[[IAR(Infantry Automatic Rifle)>HK M27 IAR]]プロジェクト」という、日本語に訳すと、むしろ全歩兵が装備する制式主力ライフルを連想させてしまう名称となっているのは、こうした背景のため。 

 またゲームなどのメディア作品において、自動小銃の威力がボルトアクションよりも小さく設定、描写される事が間々あるが、実際はそうではなく、同じ弾薬を同じ銃身長で撃ち出す限りは殆ど差が生じない。
 これは、自動装填機構を動作させるのに必要とするエネルギー自体が、射撃によって生じるエネルギーの全体量に対して極めて僅かな量でしか無いためである。
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