*減音器/Suppressor [#uf8c3509]

 銃口部分に装着する事で、銃弾発射音の拡散を防ぐ特殊な装置。「消音器(Silencer)」とも呼ばれる。
 減音器内にある特殊な吸音材で、爆発音や銃弾が音速突破する際の衝撃音を熱に変えることで、発射音を小さく(鈍く)する効果がある。その結果、相手は音を頼りに射手の位置を特定できなくなるため、隠密行動や非合法な目的のために使われる事が多い。

 サプレッサーの役目は主に、減音、マズルフラッシュの減少(フラッシュハイダーという、減光用に特化したものもあるので注意)、加熱した銃身の放熱、である。以外に3つ目の役目は知らない人も多いかもしれないが、[[BIO2>バイオハザード]]のMAC11の銃口に付いていた物はあれ(つまり放熱用、ってこと)。

 減音器内の個々の部屋に発射時のガスを渦巻かせ、冷却して消音する現在の方式は1900年頃のソ連で開発された。当時はスパイ任務などでの狙撃ライフルへの応用が期待されたが、実は発射後の弾丸が飛翔中に音速突破する際の衝撃音までは消すことは出来ないことが発覚し、現在までそれが減音器の限界とされている。(物体が音速を超えて移動する時、衝撃波と共に爆音が発生する)。
 しかし、発射時の爆発音をほぼ消すことは可能だったので、亜音速弾(音速を超えない弾)との組み合わせでその効果を抜群に発揮した。実際に[[SWAT]]が突入作戦を敢行する際、内部にいる人質を発射音で驚かせ、無用な人的被害を生み出すことを避ける意味でも大切な要素である。

 なお、減音器は厳しい規制が敷かれており、アメリカなどでも手に入れるにはライセンスと登録料が必要でお金がかかる上、基本的にサイレンサーは消耗品なので使用する民間人は少ない。映画などに登場する物はすべて減音効果が失われるように細工がされた物。

 余談ながら、漫画などで[[回転式拳銃]]に減音器を付けて発射する演出を時折見かけるが、あれは無意味な行為。殆どの回転式拳銃にはシリンダーとフレーム間に隙間があるため、いくら銃口側で音を吸音しても、シリンダー側から豪快に漏れ響く(ナガンリボルバーは独自のガスシール機構があるため例外)。

 ちなみに、冒頭でサイレンサーとも言う、と言ったが、サプレッサー(減音器)とサイレンサー(消音器)とは基本的には別物。
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