#author("2022-10-22T18:16:07+09:00","default:user","user")
*ロシアによるウクライナ侵攻(2022年〜継続中) [#x9f4184a]
 2022年2月24日にロシア連邦がウクライナ北部及び東部から侵攻した事を始めとする紛争。
 2014年のロシアによるクリミア侵攻及び同年から続いていたドネツク州とルハンシク州における親ロシア派勢力による紛争を含める場合もある。

 開戦当初、ロシア連邦軍はウクライナの北部と東部の国境((これにはロシアの同盟国であるベラルーシの国境と接している部分も含むが、ベラルーシは国内にロシア軍を受け入れてはいるものの、侵攻には直接参加していない。))から大規模な勢力をもって侵攻し、緒戦では北部においてウクライナ首都キーウ近郊まで迫ったものの、ウクライナ軍の反撃により後退。以後は東部戦線に一本化し、東部の諸州と南部クリミアを繋ぐ広範囲を占領したが、9月頃よりウクライナ側による反攻が目立っている。

 2022年に勃発した、超大国の正規軍と、そのかつての同盟国同士の紛争という事から、当初は先進装備が戦場を支配するハイテク戦争となるのではと予測され、総兵力での優位に加えて先進装備開発においても優位にあると見られていたロシアが短期に勝利するという見通しが大半であった。
 しかし、実際にはロシア軍の稚拙な動員・作戦計画が露呈し、戦時動員を間に合わせたウクライナは緒戦の北部攻防を凌ぐことに成功。ゼレンスキー大統領ら政府要人も現地に留まっての徹底抗戦をアピールしたことで、世界各国から大量の軍事支援を取り付けることも出来た。また協力国での訓練を終えたウクライナ軍兵士が帰国して戦線に加わった事により、秋口から電撃的な反抗作戦を開始している。
 キーウ急襲に失敗したロシア軍は東部戦線での侵攻を継続するも、その侵攻速度は両国の国力差からすると低速なものになり、想定外の長期戦に引きずり込まれることになった。2014年からの経済制裁によってロシア国内での先進装備(航空機や精密誘導弾など)の開発も滞っていたことで、徐々に旧ソ連時代からの備蓄兵器が戦場に顔を見せるようになっている。元々この侵攻作戦に否定的な兵士が戦闘車両ごと投降する事態も相次いでおり、士気の低下が懸念されている。精鋭戦力の不足から悪名高いロシアの[[PMC]]、ワグナー・グループも侵攻に関わっているとされる。

 この紛争では、ロシア側が備蓄兵器を、ウクライナ側も同様の(旧ソ連時代からの)備蓄兵器に加えて民間市場に流通していた銃器や世界各国からの供与兵器を運用している事もあり、1国対1国((国際的に広く承認されていないドネツク人民共和国及びルガンスク人民共和国を除いての数え方。))の紛争にしては特異な事に、極めて多種多様な武器が運用されている。
 なお、ウクライナはロシア側勢力から余りにも膨大な数の兵器を鹵獲しており、戦車や装甲車などの一部兵器の供給数に至ってはロシアからの鹵獲によるものが最多となっている。このためウクライナに対する最大の支援国にロシアを挙げているメディアが一部有る他、ウクライナ国防省やウクライナ軍兵士らもロシア側勢力から鹵獲した兵器の事を「レンドリース」と、これらをロシア側に向けて使用する事を「返却」と揶揄している事がある。

 以下に各参戦勢力が運用している武器を纏めている。多種多様な武器が扱われている為、一部の派生型は省略している。また一部の銃器は敵対勢力による鹵獲が確認されているのみで実際に使用した勢力を推測としているものがある。

***参戦勢力別使用武器 [#vb4e6819]
//参考ソース
//https://twitter.com/oryxspioenkop
//https://twitter.com/war_noir
//https://twitter.com/BabakTaghvaee1
//https://twitter.com/UAWeapons
//
|参戦国|小銃|自動小銃|突撃銃|拳銃|狙撃銃&br;対人/対物|短機関銃|軽機関銃|重機関銃|ロケット及び無反動砲&br;非誘導/誘導|対空火器|手榴弾|擲弾発射器|h
|ロシア連邦軍&br;FSBなど国防省以外の部隊含む|−|−|[[AKM>USSR AKM]]&br;[[AK-74>USSR AK74]]&br;[[AK-103>イジェマッシ AK100]]&br;[[AK-12>突撃銃/イジェマッシ AK-12]]&br;[[AS>突撃銃/USSR AS]]|[[MP-443>イジェメック MP-443]]&br;[[PM>USSR マカロフ]]|SSG 04(([[ステアー]]社製ボルトアクション狙撃銃))&br;[[SVD>USSR ドラグノフ]]&br;TSVL-8 M5((ロシアのLobaev Arms社が開発製造しているボルトアクション狙撃銃))&br;[[VKS>小銃/KBP VKS]]&br;[[VSS>USSR VSS]]|[[KSVK>ZID KSVK]]−|[[PK>USSR PK]]&br;[[RPK>USSR RPK]]|[[DShKM>USSR DShK]]&br;[[Kord>ZID Kord]]&br;[[NSV>USSR NSV]]|RMG((ロシアのBazalt社が開発製造しているHEATとサーモバリックのタンデム弾頭を使用する使い捨てロケット発射器))&br;[[RPG-7>USSR RPG7]]&br;[[RPG-22>USSR RPG-18]]&br;RPG-30&br;RPO((ソ連で開発されたサーモバリック弾頭などを使用する使い捨てロケット発射器。ソ連及びロシアなどでの兵器分類では[[火炎放射器]]となっている。))&br;RShG-1((ロシアのBazalt社が開発製造しているサーモバリック弾頭を使用する使い捨てロケット発射器))|9K38|F1&br;K-51((ソ連で開発されたCSガス手榴弾))&br;[[RGD-5>USSR RGD-5破片手榴弾]]&br;[[RGN&br;RGO>USSR RGN/RGO破片手榴弾]]&br;Zarya((ロシアで開発された閃光手榴弾))|AGS-17&br;[[GM-94>擲弾発射器/KBP GM-94]]|
|~|~|~|~|~|[[KSVK>ZID KSVK]]|~|~|~|9M133|~|~|~|h
|ドネツク人民共和国軍&br;ルガンスク人民共和国軍|[[M1891/30>小銃/ロシア帝国 モシンナガンM1891]]|−|[[AK-74>USSR AK74]]|[[Oplot>USSR トカレフ]]&br;[[P08>ルガー P08]]|[[M1891/30>小銃/ロシア帝国 モシンナガンM1891]]|[[PPSh41>短機関銃/USSR PPSh41]]&br;[[MP40>短機関銃/エルマベルケ MP40]]|−|−|−|−|−|−|
|~|~|~|~|~|−|~|~|~|−|~|~|~|h
|ウクライナ軍&br;KORDなど国防省以外の部隊含む|−|−|[[AKM>USSR AKM]]&br;[[AK-74>USSR AK74]]&br;[[AK-105>イジェマッシ AK100]]&br;[[AK-12>突撃銃/イジェマッシ AK-12]]&br;[[M4>コルト M4]]&br;[[M16>コルト AR15A2]]&br;[[Fort-221>IMI タボールAR21]]&br;[[UAR-15>コルト AR15 バリエーション]]&br;[[マリューク>USSR AK バリエーション]]&br;[[FAL>FN FAL]]&br;[[MCX>シグザウエル MCX]]&br;[[MSBS>突撃銃/FBラドム MSBS]]|[[TT>USSR トカレフ]]&br;[[PM>USSR マカロフ]]&br;[[G19>グロック 19]]&br;[[M92>ベレッタ M92]]|[[DSR-1>小銃/AMP DSR-1]]&br;[[Fort-301>IMI ガリル]]&br;[[SRS A1>小銃/DTA SRS]]&br;[[SVD>USSR ドラグノフ]]&br;TS.M.308((ウクライナのTactical Systems社が製造しているB&T社のAPR308のコピー))|Fort-230((ウクライナのFort社が開発製造している短機関銃))|[[Fort-401>軽機関銃/IMI ネゲヴ]]&br;[[RPK>USSR RPK]]&br;[[PK>USSR PK]]|[[M1910/30>ロシア帝国 PM1910]]&br;[[M2>重機関銃/ブローニング M2]]&br;[[NSV>USSR NSV]]|[[AT4>FFV AT4]]&br;[[M72>TDS M72]]&br;[[RPG-7>USSR RPG7]]&br;[[RPG-18>USSR RPG-18]]&br;RPG-26&br;RPG-75M((チェコスロバキアが開発した使い捨て携行式対戦車ロケット発射器))&br;[[パンツァーファウスト3>DNAG パンツァーファウストIII]]|9K38&br;ミストラル((フランスのMBDA社が製造している携行地対空ミサイル))|DM51|[[GM-94>擲弾発射器/KBP GM-94]]&br;[[GP-25>USSR GP25]]&br;KBA-117((ウクライナのKB MIAが製造しているAGS-17のコピーモデル))&br;[[M32A1>ミルコー MGL]]&br;[[M320A1>HK AG36]]&br;[[Mk19>US MK19]]|
|~|~|~|~|~|BFG-50((アメリカのSerbu Firearms社が開発製造しているボルトアクション対物ライフル))&br;アリゲーター((ウクライナのSNIPEX社が開発製造しているボルトアクション対物ライフル))&br;手製対物ライフル((KPVの銃身を流用したものなどが確認されている。))|~|~|~|9K115&br;9M113&br;[[BGM-71>ヒューズ TOW]]&br;[[FGM-148>ロッキードマーチン ジャベリン]]&br;NLAW((スウェーデンとイギリスが開発した使い捨て携行式対戦車ミサイル))&br;RBS-17((AGM-114C空対地ミサイルを元にスウェーデンのボフォース社が開発製造している地対艦仕様。対戦車運用も可能。))&br;ミラン F2A|~|~|~|h
|ウクライナ郷土防衛隊&br;外国人軍団を含む|−|[[SVT>自動小銃/USSR SVT]]&br;[[M1>スプリングフィールド M1]]&br;[[M14>スプリングフィールド M14]]|[[AKM>USSR AKM]]&br;[[AK-74>USSR AK74]]&br;[[AKS-74U>USSR AKS74U]]&br;[[M4>コルト M4]]&br;[[M16>コルト AR15A2]]&br;[[FNC>FN FNC]]&br;[[SCAR>FN SCAR]]&br;[[F2000>FN F2000]]&br;[[ARX200>ベレッタ ARX160]]&br;[[AUG>ステアー AUG]]&br;[[CZ806>突撃銃/CZ CZ805]]&br;[[Vz58>CZE Vz58]]&br;[[ACR>マグプル MASADA]]&br;[[56式冲鋒槍>突撃銃/PRC 56式自動歩槍]]|[[APB>USSR スチェッキン]]&br;PSM&br;[[Vz82>自動拳銃/CZE CZ82]]|[[M1891/30>小銃/ロシア帝国 モシンナガンM1891]]&br;[[SVD>USSR ドラグノフ]]&br;Model 10 FCP-SR((アメリカのサベージ社が開発製造しているボルトアクションライフル))&br;Z-10((ウクライナのZbroyar社が開発製造している民間向け[[AR10>アーマライト AR10]]クローン))&br;[[FR-F2>小銃/GIAT FR-F2]]&br;[[TRG-42>小銃/サコー TRG-22/42]]|[[MP5>短機関銃/HK MP5]]&br;[[UZI>短機関銃/IMI ウージー]]|[[DP>USSR DP]]&br;[[PK>USSR PK]]&br;[[MAG>FN MAG]]&br;[[MG42/59>グロスフス MG42]]&br;[[MINIMI>FN ミニミ]]&br;[[Vz59>ブルーノ ZB26]]|−|[[RPG-7>USSR RPG7]]&br;[[RPG-22>USSR RPG-18]]&br;RPG-30&br;RPO&br;[[M3>FFV M2]]&br;[[M72>TDS M72]]&br;[[パンツァーファウスト3>DNAG パンツァーファウストIII]]&br;マタドール((イスラエルとシンガポールが共同開発製造している使い捨てロケット発射器))&br;C90-CR((スペインのInstalaza社が開発製造している携行対戦車ロケット発射器))|9K38|F1&br;[[RGD-5>USSR RGD-5破片手榴弾]]&br;RKG1600((ソ連で開発されたRKG-3対戦車手榴弾にドローン投下用のフィンを追加したもの。))&br;[[M67>US M67破片手榴弾]]&br;m/50((フィンランドの迫撃砲弾改造手榴弾))&br;[[火炎瓶]]((市民に対し火炎瓶による抵抗を呼びかける動画や郷土防衛軍製火炎瓶投下ドローンの動画が投稿されているが、実際には殆ど使われていない模様))|[[Mk19>US MK19]]&br;RBG-6((クロアチアのMadlerd社が開発製造しているリボルバー擲弾発射器))&br;RGP-40((ポーランドのZM Tarnów社が製造しているリボルバー擲弾発射器))|
|~|~|~|~|~|[[ファルコン>ZVI ファルコン]]&br;[[M99>バレット M90]]|~|~|~|RK-3((ウクライナのLuch Design Bureau社が開発製造している対戦車ミサイル))&br;Skif((ウクライナのLuch Design Bureau社が開発製造している対戦車ミサイル))&br;NLAW|~|~|~|h

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