1984年、アラスカ州の観光地であるマンリー・ホット・スプリングスで起こった連続殺人事件。
1984年5月17日、僅か2時間でマンリー・ホット・スプリングスに住む6人の村人が射殺された。犯人の名前はマイケル・シルカ。シルカは1か月前にも男性を1人殺害し、この村に逃亡していた。シルカは村人を射殺した後、彼らの遺体を村の近くを流れるタナナ川に遺棄していた。
5月19日、アラスカ州警察特別緊急即応チーム(SERT)は2機のヘリコプターでシルカが逃走したと思われる原生林を捜索した。ヘリがシルカを発見するやいなや、シルカはすぐにヘリに向けて発砲した。SERTの隊員であったジェフ・ホールとトロイ・ダンカンはM16A1で応戦したが、外れてしまった。シルカが弾を装填しているのを見たジェフは、再びフルオートでの射撃を行った。ジェフの放った9発の内、8発がシルカに命中し即死した。しかし、シルカの放った1発の弾丸がトロイに命中し、殉職した。
最初の応戦でSERTの隊員の弾が外れてしまった理由は、ヘリが移動していたためである。射手が固定した場所から動いている標的を撃つ場合、標的の進行方向に狙点を置く必要がある。しかし、ヘリのように射手が移動している場所から標的を撃つ場合、射手の進行方向とは逆側に狙点を置く必要がある。とっさにシルカに照準を合わせて反撃したため、弾がヘリの進行方向に約2mずれて着弾してしまったのだ。
一連の事件で9人が殺害された。シルカが無差別に大量殺人をした理由は今でも謎のままである。