#author("2019-01-03T13:18:46+09:00","default:user","user")
*ダムダム弾 /dumdum bullet [#r7a28e02]

 もともとは旧英領だったインド・コルカタ(カルカッタ)近郊のダムダム工廠で造られた、 [[.303British>口径]] の中でも、殺傷力を高めた特殊な弾薬の俗称。

 ライフル銃が発明されて銃弾の速度が音速を上回るようになって以来、鉛がむき出しの銃弾の殺傷力が高いのは経験的に知られていた。高速で撃ちだされる軟らかい鉛の弾丸は、目標に命中すると大きくつぶれるように変形したり、砕けてバラバラになったりして、傷の程度を酷くした。こうした軟頭弾は、ダムダム工廠で製造される前から、実際に狩猟用として使われていたのである。
 [[ライフル銃>小銃]]が発明されて銃弾の速度が音速を上回るようになって以来、鉛がむき出しの銃弾の殺傷力が高いのは経験的に知られていた。高速で撃ちだされる軟らかい鉛の弾丸は、目標に命中すると大きくつぶれるように変形したり、砕けてバラバラになったりして、傷の程度を酷くした。こうした軟頭弾は、ダムダム工廠で製造される前から、実際に狩猟用として使われていたのである。

 こういった経験を元に、ダムダム工廠で作られたのが MK.II .303British だった。これは通常の .303British の先端から1mmほど銅合金の覆いを取っ払って、先端だけ鉛をむき出しにしたものだった。
 こういった経験を元に、ダムダム工廠で作られたのが MK.II.303British だった。これは通常の .303British の先端から1mmほど銅合金の覆いを取っ払って、先端だけ鉛をむき出しにしたものだった。
 しかしこのMk.IIは、発射の際にコアの鉛だけが発射され、周囲のジャケットが銃身内に取り残されるという事故を起こすことがあった。Mk.II はインド駐留軍が使用していたが、イギリス軍の制式弾薬ではなかった。

 その後にイギリス軍の制式となってMK.IIIとなり、さらに先端に窪みを設け、より銃弾が変形したり、砕け散りやすく改良した Mk.IV、弾丸の底部もジャケットで覆い、コアだけが飛び出す問題を解決したMk.V が開発された。
 その後にイギリス軍の制式となってMK.IIIとなり、さらに先端に窪みを設け、より銃弾が変形したり、砕け散りやすく改良したMk.IV、弾丸の底部もジャケットで覆い、コアだけが飛び出す問題を解決したMk.V が開発された。
 これらはダムダム工廠ではなく、イギリス本国で生産されていたが、この頃にはすでにこういった弾薬を、総じてダムダム弾と呼ぶようになっていた。

 後に1898年、ドイツから、ダムダム弾は不必要な苦痛を与える兵器で[[ハーグ陸戦条約]]に抵触している、という抗議が出された。この抗議は世界的に受け入れられ、ダムダム弾は戦争においては使用禁止となった。
 イギリスは弾薬を全てジャケットで覆ったMk.VI に更新し、その後さらに現代の弾薬と同じ形である、先端が尖ったスピッツァー弾頭のMk.VII へと更新した。保有していた残りのダムダム弾は、射撃訓練などで消費した。
 イギリスは弾薬を全てジャケットで覆ったMk.VIに更新し、その後さらに現代の弾薬と同じ形である、先端が尖ったスピッツァー弾頭のMk.VIIへと更新した。保有していた残りのダムダム弾は、射撃訓練などで消費した。
 だがイギリスはしたたかなもので、このMk.VIIにも見た目では分からないように、殺傷力を高める工夫が施されていた。Mk.VIIの弾頭尖端には鉛ではなくアルミニウムが挿入され、その後に鉛のコアが仕込まれていた。これによって弾頭の重心が後部に偏ることになり、人体に命中すると著しく倒弾現象を起こしやすくしており、殺傷力はダムダム弾と引けは取らなかった。しかし、このMk.VIIは最後までハーグ陸戦条約に抵触していると、糾弾されることはなかった。

 ドイツからは不必要な苦痛を与えるとして抗議を受けたダムダム弾だが、確かに同じ.303Britishの通常弾に比べれば傷の程度は酷くなった。
 しかしイギリス軍がダムダム弾を使用できる[[リー・エンフィールドライフル>RSAF リー・エンフィールド]]の前に制式使用していた、マルティーニ・ヘンリーライフルの方が、傷の程度は酷かったりする。マルティーニ・ヘンリーライフルの方が単発銃ながら、リー・エンフィールドライフルよりも大口径で、最初からジャケットで覆われていない、鉛がむき出しの弾薬であったためである。
 ドイツからは不必要な苦痛を与えるとして抗議を受けたダムダム弾だが、確かに同じ.303Britishの普通弾(フルメタルジャケット)に比べれば傷の程度は酷くなった。
 しかしイギリス軍がダムダム弾を使用できる[[リー・エンフィールドライフル>小銃/RSAF リー・エンフィールド]]の前に制式使用していた、マルティーニ・ヘンリーライフルの方が、傷の程度は酷かったりする。マルティーニ・ヘンリーライフルの方が単発銃ながら、リー・エンフィールドライフルよりも大口径で、最初からジャケットで覆われていない、鉛がむき出しの弾薬であったためである。
 ドイツの抗議は別に明確な根拠があったわけではなく、戦争におけるプロパガンダ合戦の一角であったと言える。

 ダムダム弾はいろいろな思惑から使用禁止になったが、規制は無くとも近い将来には使用されなくなっていっただろうと思われる。
 後年は機関銃が発達し、単位時間当たりの銃弾の発射数は飛躍的に上昇した。そのため、発射熱による銃身の加熱も飛躍的に上昇し、鉛のコアが外部に露出している弾丸では、熱によって鉛が溶け出してしまい、銃身を損なうようになってきてしまった(レッディング現象)。大量の弾薬を消費する近代戦では、どちらにしろ弾丸全てをジャケットで覆った、いわゆるフルメタルジャケットを使用せざるをなかったのである。
 後年は[[機関銃]]が発達し、単位時間当たりの銃弾の発射数は飛躍的に上昇した。そのため、発射熱による銃身の加熱も飛躍的に上昇し、鉛のコアが外部に露出している弾丸では、熱によって鉛が溶け出してしまい、銃身を損なうからである。大量の弾薬を消費する近代戦では、どちらにしろ弾丸全てをジャケットで覆った、いわゆるフルメタルジャケットを使用せざるをなかったのである。

 また、現代のライフル弾は発射薬の改良などとともに、弾丸を小さくして速度を増すよう作ってあるため、あまりの高速度により、命中すると容易にジャケットと弾芯が分離したり、弾丸が砕け散ってしまう。現代のライフル弾はダムダム弾のような形状はしていないが、対人威力に関しては、まったくダムダム弾に遅れはとっていない。
 第二次世界大戦後の研究ではダムダム弾による損傷は実際は破片による直接的な外傷ではなく、弾丸が破片状に爆発する現象([[フラグメンテーション]])によって引き起こされるものであり、現代的な高速弾においては特別な工夫なしに一般的に起こる現象であることが知られている。

 ダムダム弾は現在でいうところの、ジャケッティド・ソフトポイント弾にあたる。もちろん狩猟用ライフルの弾薬としては、現在でも使用されている。
 ダムダム弾は現在でいうところの、ジャケテッド・ソフトポイント弾にあたる。もちろん狩猟用ライフルの弾薬としては、現在でも使用されている。

 メディア上ではいわゆる「[[ホローポイント弾]]」などと共にその構造や効果について非常に誤解や混用が多い弾種で、特に「通常の弾に十字の切れ込みを入れる(ことによって破片を作りやすくする)」といったギミックでダムダム弾になり殺傷力が上がる、とする描写が多い(無論これはあらゆる点で誤りである)。

 夏目漱石の小説『吾輩は猫である』では野球を表現するための比喩として登場しており、日本でも古くから知られていたことが伺える。

//近年登場したEFMJ(エクスパンディングフルメタルジャケット)はFMJが冠されているが、性質的にはソフトポイントに近い。発射前の弾頭はFMJのように見えるが、ジャケットに切り込みがあり、着弾すると切り込みからコアのポリマーが押し広げ拡張する。ホローポイントよりも拡張しやすいが、自動銃でも安定して作動する為、主に[[自動拳銃]]に用いられる。

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