*タレス ブローパイプ / Thales Air Defence Blowpipe 【地対空誘導弾】
#ref(http://mgdb.himitsukichi.com/pic/nowprint.jpg,center,nolink)
|全長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|1035cm|14.5kg|76mm|1|イギリス|

 1975年より、イギリス陸軍および海兵隊に導入された個人携行用の対空防御システム。
 地対空ミサイルの個人携行型としては極初期に登場したブローパイプは、SACLOS(Semi-Automatic Command to Line of Sight:半自動指令照準一致誘導)式と呼ばれる半自動式の誘導装置を備えていた。これは発射器に装備されたジョイスティックを操作することでミサイルの軌道を変更できるという物で、移動目標を射手の手動操作によって追尾し、命中率を高める事が可能だった。また、ジョイスティックの他にも自爆ボタンが装備されており、もし目標に直撃させる事ができなくとも、自爆させる事で至近弾による被害を与えようという設計だった。

 しかしジョイスティックによる操作は、二次元的な機動を取る地上兵器ならまだしも、三次元的な機動を行う航空機相手では命中させる事は非常に困難だった。初陣である[[フォークランド戦争]]ではブローパイプにより11機の敵機を撃墜(うち未確認が2機)したと公表されているが、その内訳は全て低速機であり、それさえも数百発費やしてようやく、あるいは射手の職人芸的技術による戦果だったとされている。

 またソ連によるアフガニスタン侵攻(1979年〜)時には、抵抗勢力であるムジャヒディンの支援として、MI6とCIAがソ連の戦闘ヘリの脅威に対抗するためにブローパイプを供給した。しかし練度の低いゲリラ兵にブローパイプの運用は至難の業であり、戦果よりも被害が増える一方で、却ってムジャヒディンを失望させる支援となった。この埋め合わせとして、CIAは虎の子の最新型であった[[スティンガー>GD FIM92]]を供給する羽目となる((余剰兵器となったブローパイプは、ジョイスティック操作式の利点を生かして、敵装甲車に対する誘導火器として使われたと云う))。

 結局、運用が難しいブローパイプは10年で製造終了し、後継のスティンガーに駆逐される形で早々に姿を消した。
 なお、本家イギリスではその後、後継としてジャベリン(後にアメリカが開発した対戦車ミサイル・[[ジャベリン>ロッキードマーチン ジャベリン]]とは別物)、スターバーストが開発されている。しかし、スターバーストではレーザーガイド・ビームライダー誘導などを追加して改良されているものの、なぜか、ブローパイプで問題になった指令誘導方式を、未だに頑固に採用し続けている。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[Fate/Zero]]|−|−|項目参照|
|[[キャット・シット・ワン エイティー>キャット・シット・ワン]]|−|−|項目参照|


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