#author("2019-01-12T01:50:02+09:00","default:user","user")
*コンペンセイター(銃口制退器) / Compensator [#uaf6d71c]

 銃身のマズル部分、またはその先端に取り付けて反動を軽減する装置。マズルブレーキとも呼ばれる。発射ガスを上や左右に偏って噴出させることで、反動やマズルクライム(銃口の跳ね上がり)を抑える。強烈な反動ゆえ設置面を破壊する恐れがある砲などでは古くから使用されていたが、第二次世界大戦では従来の銃火器と異なり、軽量ながら強い反動を有する[[短機関銃]]が登場したことで広く小火器にも普及した。
 しかし単にガスを噴き出すだけであるため弾薬の違いによって効果が大きく左右される上、ガスに指向性を与えることでマズルフラッシュや発砲音が非常に強くなる問題がある。また小口径・低反動の銃器が一般的になったため、戦後は軍の小火器用としては広く普及しなかった。しかし現在でも、[[対物火器]]に分類される[[M82>バレット M82]]のような大口径ライフルや、[[AN94>イジェマッシ AN94]]のような超高速[[バースト]]機能を持った銃器においてはその有用性を示している。
 前述通り、その効果はコンペンセイターの設計自体にも弾薬の種類によっても大きく変わるが、概ね10〜50%程度の反動軽減効果が期待できるものとされている。
 銃身のマズル部分、またはその先端に取り付けて反動を軽減する装置。マズルブレーキとも呼ばれる。マズル付近に設けた複数のベント孔によって発射ガスをマズルとは異なる方向に噴出させることで、反動やマズルクライム(銃口の跳ね上がり)を抑えるものである
 その効果はコンペンセイターの設計自体にも弾薬の種類によっても大きく変わるが、概ね10〜50%程度の反動軽減効果が期待できるものとされている。一方その原理上、発射エネルギーの一部をロスすることから、コンペンセイターを設けるかどうかは銃の用途次第である。

 現在見られる小火器用のコンペンセイターは主に競技用のものである。通常の戦闘では見られないような、複数の的に素早く照準を合わせるスピードシューティングの世界では、マズルクライムを少しでも抑える事が重視されるからである。また、趣味のシューティングでもSBR(Short-Barreled Rifle)と呼ばれる短銃身モデルや、マグナム弾を使用する拳銃の反動を抑制するために使われるケースもある。
 これらの用途に使われる製品では、最初からコンペンセイターを組み込んだモデルも多い。
 現在見られる小火器用のコンペンセイターは、発砲炎を抑制するフラッシュハイダー機能を兼ねているのが一般的である。
 コンペンセイター/フラッシュハイダーのようなベントを持たないシンプルなマズルでは発砲炎が球状に広がることから、[[突撃銃]]や[[機関銃]]のような持続射撃を行う銃器では、フルオート射撃中は発砲炎によって照準が阻害されてしまう。そこで、複数のベントによって、発砲炎を星形にコントロールし目標を視認できるスリットを生じさせる。と、同時に各ベント孔を上部により多く設け、そのベクトルも斜め後方に指向することで、銃身の押さえつけと引っ張り作用を生じさせて、跳ね上がりと反動を一度に抑制する設計がポピュラーである。

 近年ではFPSゲームの普及に伴い、銃器のカスタムにおいてしばしば「コンペンセイター」や「マズルブレーキ」といった名称のアクセサリーが別々のアイテムとして登場することがあるが、実際にはこれらの名称自体は特に機能的な差があるものではない。
 FPSゲームにおいてしばしば「コンペンセイター」や「マズルブレーキ」といった名称のアクセサリーが、別々のアイテムとして登場することがあるが、実際にはこれらの名称自体は特に機能的な差があるものではない。
  
 なおコンペンセイターが「マグナポート」と呼ばれることがあるが、これは厳密にはマグナポート・インターナショナル社の商品名である。

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